マーケティングミックスの4Pという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
マーケティングの教科書を読み進めると、必ずマーケティングミックスと4Pが登場します。
マーケティングの基本用語ですが、そもそも何をするための考え方なのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
僕自身、マーケティングの勉強を始めたとき、理解に苦しんだ思い出があります。
そこで今回はマーケティングミックス4Pの目的・使い方について図を使いながらまとめてみました!
1.マーケティングミックス4Pの目的
マーケティングミックスとは、ものを売るために必要な様々な項目のことです。
そして、4Pとはマーケティングミックスの項目うち「お客様に何を、どのように、いくらで売るか」をまとめたツールです。
ちなみに、4Pと呼ばれる由来は、4つの項目を英語にすると、頭文字が全て「P」だからです。
具体的に考えてみましょう。
例えばこれからアナタがゲームを作る会社を作ったとします。
マーケティングとして、アナタがまず始めるのは市場調査です。
ゲームはどういう年齢層に好まれているのか、どういう人がゲームをプレイしているのか、徹底的に分析します。
そして、20~30代のコアユーザー向けにゲームを開発することを決めました。
ここまでがマーケティングで言うところの、セグメンテーションとターゲティングです。
市場を分析し、ターゲットを決定したわけですね。
関連記事⇒ターゲティングとセグメンテーションの違い
マーケティングミックスが活躍するのは、ここからなのです。
20~30代のコアユーザー向けにゲームを開発することを決めたあなたは、次の点を考えなければいけません。
- どんなゲームを作るか
- どうやってゲームをお客様に知ってもらうか
- どうやってお客様にゲームを届けるか
- ゲームをいくらで売るか
これら4つの観点から考えることで、ゲームの開発から販売までの道筋が明確になることでしょう。
そして、マーケティングミックスの4Pを考えることは、お客様が欲しいもの作り、提供するまでの道筋を明確にする目的があるのです。
2.マーケティングミックス4Pの使い方
実はここまでくれば、マーケティングミックス4Pの使い方はほとんどわかったも同然です。
なぜなら、マーケティングミックスの4Pとは、
- 商品の中身
- 宣伝方法
- 流通の方法
- 価格の設定
以上を考える、ただそれだけのことだからです。
しかし、ただ考えろと言われても、
という方も多いはず。
この章では、マーケティングミックスの一つ一つの項目について、詳しく説明していきます。
注意しなければいけないのは、全ての項目をターゲットに合わせて考えることです。
2-1.マーケティングミックス4Pの構成要素①製品
ただ単純にゲームを作ろう!自動車を作ろう!と決めても開発スタッフは何を作っていいのかわかりません。
具体的に、商品の中身を決めていく必要があるのです。
では、どういった項目を決めていけばよいのでしょうか?
4Pの構成要素の製品では、次の項目を決めていく必要があります。
- 用途
- 仕様(機能・性能・特徴など)
- デザイン
- 大きさ
- 商品名
- 使いやすさ
- 保証・返品・アフターサービス
ザックリとこれくらいは決めていかなければなりません。
もちろん、全てターゲットユーザーが求めている内容を詰め込みましょう。
しかし、実際的にはマーケティングスタッフが開発スタッフに製品の中身をぶつけても
「こんなもん作れるかよ!!」
と、突き返される場合が多いです笑
理想と現実をすり合わせて商品づくりを進めるのも、マーケティングの大事なお仕事ですね。
関連記事⇒製品の差別化要素10選
2-2.マーケティングミックス4Pの構成要素②宣伝
なんとか開発スタッフと製品の内容を詰め終わり、開発をスタートさせることができました。
次に考えなければいけないのは、宣伝方法についてです。
今開発スタッフは、自分たちの作れる商品の中でも最高なものを開発してくれています。
その素晴らしい商品を、できるだけ多くの人に知ってもらいたいですよね?
宣伝活動には大きく分けて2つのパターンがあります。
プッシュ型とプル型です。
プッシュ型は、直接お客様や販売代理店に商品説明を行うことで、商品を知ってもらう活動です。
一方プル型は、お客様に広告によって商品を知ってもらう活動です。
それぞれメリット・デメリットがあります。
2-2-1.プッシュ型のメリットデメリット
プッシュ型のメリットは商品の魅力を、正確にお客様に伝えることができることです。
一方のデメリットは、拡大力のないところですね。
会社の営業マンが回れる範囲は限られています。
プッシュ型は、新商品や新技術が開発されたときに有効な宣伝方法と言えるでしょう。
2-2-2.プル型のメリット・デメリット
プル型のメリットは、多くの人に商品の存在を知ってもらえることです。
テレビ、雑誌、新聞など、様々な広告メディアが利用できます。
デメリットは、商品の魅力が十分に伝わらないこと、成約率が低いことです。
広告でいかに多くのお客様に商品名を伝えても、なかなか買ってくれないのです。
プル型は、ある程度市場に商品が普及し、さらなる拡大を目指すときに有効な宣伝方法と言えるでしょう。
このように、宣伝活動は時期や目的によって使い分けることが大切です。
2-3.マーケティングミックス4Pの構成要素③流通
宣伝方法も決まり、いよいよ商品販売に現実味が帯びてきました。
次に決めなければいけないのは、流通の経路です。
アナタの会社の商品はネットを通じて売りますか?
それとも小売店を通じて?会社から直接お客様にお届け?
これらのことを考えなければいけません。
流通の方式としては次の図が代表的です。
直接販売チャネルは、中間業者がいないぶん価格を安くできるというメリットがあります。
一方で、一般的な流通チャネルは、中間業者が在庫管理等を徹底してくれるので、品切れを引き起こしにくいです。
中抜きチャネルは2つのちょうど中間の位置になりますね。
どれも一長一短ですが、流通チャネルで優位になる場合があるので、慎重に決めたいところですね。
関連記事⇒流通チャネル政策:閉鎖型と開放型について
任天堂がスーパーファミコンでゲーム業界の頂点に君臨していた頃、
SONYが初めてゲーム業界に参入し、PlayStationが発売されました。
このPlayStationがバカ売れし、任天堂は初めてゲーム業界の頂点の座を、SONYに明け渡すことになったのです。
PlayStationが売れた一つの要因は、流通チャネルだと言われています。
任天堂は当時、多くの卸売業者を使ってゲームを販売していました。(一般的な流通チャネル)
しかし、SONYは古くから家電メーカーであったことから、ゲーム機を家電量販店に直接卸したのです。(中抜きチャネル)
これにより、PlayStationは当時では考えられない程の低価格で消費者のもとに届いたのです。
2-4.マーケティングミックス4Pの構成要素④価格
最後に決定するは価格です。
アナタはここまで、商品コンセプトを考え、お客様にお届けするまでの流れを作ってきました。
そして、いよいよお客様が商品を買うのです。
その商品の値段を決めなければなりません。
値段付けはマーケティングの中で最も難しいと言われています。
高すぎると買ってもらえず、安すぎると儲けがでません。
ここで、ビジネスの一般論を話したいと思います。
ビジネスは価値と価値の交換である
という言葉があります。
ビジネスは「商品の価値」=「魅力」と、「お客様の持っている価値」=「お金」の交換だという意味です。
商品の魅力とお客様が支払うお金は等しいというのです。
アナタの商品の魅力に対して、いくらまでなら支払ってもよいとお客様は考えるでしょうか?
こういった視点から、価格付けをしてみても面白いかもしれませんね。
関連記事①⇒価格の値下げをしていい時
関連記事②⇒価格の値下げをしてはいけない理由
まとめ
いかがでしたでしょうか?
マーケティングミックスの4Pにはターゲットとするお客様に、最適な商品を最適な方法で提供する流れを考えるという目的があります。
言うまでもなく、4Pは全てターゲットに合わせて構築していかなければなりません。
マーケティングミックスをしっかりと考えて、売れる仕組みづくりを行っていきたいものですね。
では!
関連記事⇒マーケティングミックスの4Pと4Cの違い