中小企業診断士のたかぴーです。
前回までで試験に使う教材や勉強時間に関する動画を解説しましたが、具体的にどのように勉強を進めれば良いかわからない、というコメントをいただきましたので、今回は一次試験の勉強方法をテーマに解説していきたいと思います。
僕自身、今回ご紹介する勉強をして、本試験では全科目60点越え、合計512点と余裕を持って合格できました。
独学者、予備校生どちらにも役立つ内容と思いますので、参考にしてみてください。
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年間スケジュール
前回の記事でもお見せしましたが、予備校が公開しているカリキュラムを参考にすると、年間の学習スケジュールは次の通りです。
資格の学校TACのカリキュラムを見ると、11月から学習を始める場合、1月までで財務会計・運営管理・企業経営理論の学習を終わらせ、2月からは1ヶ月に1科目のペースで他の科目を学習していくようです。
余裕があれば、2~4月に2次試験の勉強も並行して行えると理想的ですね。
GWからは1次試験の総復習を行い、6月に模試を受験して、8月頃に一次試験を受験するスケジュールとなります。
一次試験が終了したら、二次試験の勉強を本格的に始めて、10月に二次試験を受験します。
実際に勉強してみると分かりますが、かなりのタイトスケジュールとなっています。
それでは各教科を勉強するにあたって、具体的にどのような進め方をしていけばいいのか説明していきたいと思います。
一次試験用テキスト・問題集
まずは一次試験用のテキスト・問題集です。
テキストはTAC出版のスピードテキストをメインに使い、補助教材としてまとめシートを活用すると良いでしょう。
問題集は、スピード問題集と過去問完全マスターがオススメです。
スピード問題集はTAC出版のオリジナル問題集、過去問完全マスターは直近10年分の過去問の中から、頻出論点だけの問題が収録された問題集ですね。
問題集はどちらも論点別に問題が収録されているので、テキストで学習した内容をすぐに問題を解きながら復習できる教材となっています。
1科目の学習が終わった後で、まとめシートのチェックテストを使って、自身の理解度を確認すると良いでしょう。
まだこれらの教材を持っていないという方は、以下にAmazonのリンクを貼っておりますので、ぜひ一式を揃えていただければと思います。
たかぴーのお勧めテキスト・問題集
月間スケジュール
それでは先程の教材を使って、1週目から4週目までにどのように学習を進めていけばよいか、具体的に説明していきたいと思います。
ここでは企業経理論の経営理論、人材管理、マーケティングの3つの論点を1ヶ月かけて学習するものとして説明したいと思います。
学習をスタートする1週目では、スピードテキストを使って経営理論の内容をざっと学習していきます。続いて、学習した内容について、まずはスピード問題集で基礎的な問題を解いていきましょう。
スピード問題集を解き終わったら、過去問完全マスターで同じ論点の過去問を解いてみます。
ポイントは問題集の1周目の段階では、学んだ知識がどのように問題で出題されているかを把握することが主な目的となりますので、テキストを読みながら問題を解いたり、答えがわからなければすぐに解説を読んでしまっても問題ありません。
ここで重要なのは、学んだ知識がどのように問われるかを把握することです。
2週目に入ったら、人材管理をスピードテキストで学習しましょう。
先ほどと同じように、テキストで読んだ論点について、スピード問題集・過去問マスターの順に問題を解きます。この時もテキストや解説をすぐに見てしまっても構いません。
また、2週目からは前の週で学習した経営理論について、スピード問題集と過去問完全マスターを、もう一度解き直します。
2周目からはできるだけカンニングをせずに問題を解いてください。
間違えてた問題については、解説やテキストを読みながら理解を深めるようにしましょう。
また、2周目以降は自信を持って正解できた問題に○、迷って正解した問題に△、間違った問題に×印を付けておくと、直前期の勉強に役立ちます。
3週目に入ったらマーケティングについてスピードテキストを読み、スピード問題集と過去問マスターの問題を解きます。同じように、前の週で学んだ人材管理の問題集も並行して解き直します。
このように、新しい論点のインプット学習を進めつつ、前の週で学んだ論点について問題集を解きながら、復習するというのを繰り返し進めていきます。
最後の週になりましたら、その科目で学んだ全論点について、最後の総仕上げとしてスピード問題集と過去問完全マスターをもう一度解き直します。
ですので、この期間で問題集は合計で3周することになりますね。
ご覧の通り、かなりの過密スケジュールとなりますので、テキストをじっくり読み込んで完璧に理解してから問題集に当たるのではなく、テキストと問題集を使いながら、各種論点の理解を深める必要があります。
なかなか点数が伸びない人の特徴として、圧倒的に問題演習量が足りていないというものがありますので、例えテキストで理解できなかったとしても、早めに問題集に移行するようにしましょう。
もちろん、どうしても理解できない論点については、僕が配信している論点解説動画も上手く使っていただければと思います。
問題集を3周し終わったら、まとめシートのチェックテストで実力テストをしてみてください。
このタイミングで80点以上が取れていれば、学習の進め方は間違っていないと判断できるかと思います。
参考:TAC通学の月間スケジュール
先ほど説明した月間スケジュールは独学者向けでしたので、参考までに僕自身がTACに通学していた頃の月間スケジュールを紹介したいと思います。
予備校に通学するとインプット学習として、Web講義や教室講義が使えるのに加え、アウトプット教材としてトレーニングというTACオリジナルの問題集が配布されましたので、こちらを利用できます。
進め方としては、まず経営理論についてWeb講義を1.8倍速で視聴して、その論点の大まかな内容をつかみます。
その後で、スピード問題と過去問完全マスターを解きながら、どのようにその論点について問われるかを確認します。
各種論点の概要と試験の問われ方を学習した上で、改めて教室講義で復習するというのが、1週目の取り組みとなりますね。
2周目は、新しい論点である人材管理について同じ進め方を行います。
並行して、経営理論のスピード問題集、過去問完全マスターを復習しつつ、TACで配布されたトレーニングの問題も解いてみるという流れですね。
このような学習の進め方をすると、教室講義を受け終わった段階で各論点が完璧に理解できたという実感が得られるかと思います。
もしわからないところがあれば、その場で講師の先生に聞きに行くと良いかと思います。
トレーニングはせっかく配布されたので、念のため解いていましたが、正直スピード問題集と過去問完全マスターさえ解ければ、トレーニングに収録されてあるほぼ全ての問題は難なく正答できたので、独学者にとっても必須な教材かと言われると、個人的にはそうではないかと考えています。
独学者・予備校生どちらにとっても、最も辛いのは新しい論点のインプットと1周目の問題演習と思います。
全然理解できなくて心が折れそうになる瞬間もあるかと思いますが、とにかく繰り返し問題を解いて理解を深めることを重視していただければと思います。
勉強スケジュール
改めて年間スケジュールを確認しましょう。
先ほど説明した月間スケジュールを各科目ごとに実施して、7科目を仕上げていきます。
11月に学習をスタートする場合は財務・運営管理と企業経営理論を平行して勉強する必要があるのが辛いところですね。
場合によっては、総復習期間を1ヶ月短縮して、1ヶ月1科目ずつ仕上げても良いかもしれません。
もし余裕があれば、2月から4月の間に二次試験対策ができると理想的ですので、この具体的な勉強方法についても触れていきたいと思います。
二次試験対策
二次試験対策は、事例Ⅰ~Ⅲと、事例Ⅳと分けて説明します。
事例Ⅰ~Ⅲ対策
まずは事例Ⅰ~Ⅲですね。
学習の着手としては、以前公開にした二次試験の勉強方法をご覧いただければと思います。
ここで必要な教材や勉強の進め方について解説されています。
その後、二次試験の解答プロセスを解説した動画が配信されていますので、具体的な試験問題の解き方を学んでいただければと思います。
ここで学んだ解答プロセスを参考にしながら、実際に過去問演習をしてみましょう。
一次試験までに直近2年分、多くても3年分程度の過去問が解ければ充分かと思います。
この段階で完璧に過去問が解ける状態にする必要はなく、二次試験がどういった試験なのか、試験後にどのように勉強を進めていくかがイメージできるようになることが重要と考えています。
事例Ⅳ対策
事例Ⅳの対策としては、30日完成!事例Ⅳの計算問題集か、サンさんのオリジナル問題集である攻略マスターガイドを使いながら学習を進めていただければと思います。
どちらを購入すれば良いかわからないという方は、攻略マスターガイドのレビュー動画を配信していますので、こちらを参考にしながら選択いただければと思います。
特に事例Ⅳの対策が進んでいるほど、二次試験が有利になりますので、一次試験対策で大変な中とは思いますが、学習を進めていただければと思います。
オススメは、祝日は事例Ⅰ~Ⅲの対策、土日合計で2時間は事例Ⅳ対策に充てるというルールを作っておくと、時間を確保しやすいかと思います。
二次試験の勉強はどんなにやったとしても、4月末までにしましょう。
二次試験対策に注力するあまり、一次試験を突破できなかったら本末転倒ですからね。
GWを過ぎてからは直前期と呼ばれる期間に入りますので、ここからは一次試験対策に注力して各科目の総復習を行うようにしましょう。
直前期の勉強内容
直前の勉強は、1日2科目触れることを目標に勉強いただければと思います。
試験本番は初日が4科目、2日目が3科目を受験しますので、1日で複数科目のアウトプットできる訓練をするイメージですね。
年度別の過去問演習
具体的な勉強としては、年度別の過去問演習を中心に据えていただければと思います。
理想はTAC出版から発売されている直近5年分の過去問を購入して進めていくことですね。
費用はなるべく抑えたいという方は、問題と回答自体は中小企業診断協会のHPからダウンロードできますし、設問ごとの正答率は資格の大原が無償で公開していますので、そちらを参考にいただければと思います。
年度別を過去問演習をすることで、どの問題から解いていくかという回答順序を検討したり、過去問完成マスターに収録されていないような、その場で考える問題を攻略する訓練をします。
先程も紹介した月間スケジュールをこなしてきた方は、過去問完全マスターで直近5年分の問題のほとんどは解いているので、年度別に初見で解いても6割以上の得点ができる状態になっているかと思います。
科目別の復習
過去問演習と並行しながら科目別の復習も、スピード問題集や過去完全マスターで実施しましょう。
特にインプット期間で付けた×印、△印の問題を優先的解くと効率が良くなりますね。
また過去問完全マスターは年度別の過去問と被っている問題を解く必要は無いので、6年~10年前の問題だけに限定して復習いただければと思います。
模試
最後に模試ですね。
大手予備校が実施している模試であれば、どこでも良いかと思いますので、1回は受験しましょう。
模試を受験する目的として、試験中の時間配分を確認するということと、休憩時間を含めた試験本番の過ごし方は確認するのが主な目的となります。
模試で高得点が取れることに越したことは無いですが、あくまで試験本番で合格点を取るのが目標ですので、目的意識を持って受験するようにしましょう。
理想としてはこの期間に各問題集をそれぞれ3周ずつできると、試験本番で合格するだけの力が身に付けられると思います。
まとめ
それでは最後にまとめです。
今回は年間スケジュールに基づいて具体的な勉強方法を解説しました。
GWまでは今回ご紹介した勉強方法で、1科目ずつ集中して攻略していただきいただければと思います。
よくご質問いただきますが、他の科目を勉強しているときに前に学習した内容をを忘れそうで不安だという声をよく聞きますが、基本的に学習済みの科目の復習は、GWまでは不要となります。
GW以降の総復習で、一気に7科目分を復習するようにしてください。
ご自身の年齢に関係なく、各論点をしっかりと理解してさえいれば、意外とすぐに思い出せますし、総復習期間で繰り返し問題演習していけば、しっかりと記憶として定着しますので、ご安心ください。
というわけで、今回は一次試験の勉強方法について解説してみました。
実際にやってみるとわかりますが、かなりの過密スケジュールでスパルタな勉強方法となってます。
次で確実に一次試験を突破したいという方は、ぜひ挑戦してみてください。
この勉強量をこなすためには、前回ので記事で解説した通り、しっかりと時間を確保して、勉強習慣をつけることが何より重要です。
どうしても勉強時間が確保できなかったり、学習のスタート時期が遅れてしまったという方は、総復習の期間を削るなどして調整したり、場合によっては科目合格制度を使って、2年間かけて合格することもできますので、ご自身の事情を踏まえながら学習していただければと思います。
それでは今回の解説記事はここまでとしたいと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
それではまた次回の解説記事でお会いしましょう。勉強頑張ってください!応援しています。さようなら!!