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【まちづくり三法】大規模小売店舗立地法・中心市街地活性化法・都市計画法の違いを解説します!/運営管理/中小企業診断士試験対策

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はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。

今回はまちづくり三法をテーマに解説していきたいと思います。

運営管理の後半、店舗・商業施設の論点で1番最初に出題される論点たちですね。

ようやくイメージしにくい工場管理の論点が終わって、いよいよ身近な店舗運営に関する学習ができると思ったのに、いきなり難しい法律の話をされて、テンションが下がった受験生も多いのではないでしょうか。

とはいえ、今回学習する内容から毎年少なくとも1問は出題される傾向となっていますので、ぜひこの機会に内容を押さえていただければと思います。

YouTube動画でも解説中!

大規模小売店舗立地法とは?

まずは大規模小売店舗立地法、いわゆる大店立地法ですね。

大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗の出店の際に、周辺地域の生活環境を保持させるための法律です。

対象となる店舗は、店舗面積が1000㎡超の店舗となっています。
この1,000㎡のイメージがつきにくいかと思いますので、参考写真を持ってきました。

大規模小売店舗立地法_対象店舗

こちらのライフは、スーパーマーケットとしては小規模な店舗となっていますが、これでも1000平方メートルを超えているようです。
比較的大きなスーパーは、全て大店立地法の対象になるというイメージを持っておくと良いでしょう。

この対象店舗には営利・非営利目的を問いません。
また、小売店舗が対象ですので、飲食店は含まない点に注意しましょう。

続いて店舗面積についてです。
対象となる1,000㎡は敷地面積ではなく、店舗面積である点に注意です。

大規模小売店舗立地法_店舗面積

この店舗面積とは、直接物品販売にかかわる部分のことを言いますね。

例えば、売り場そのものであったり、インフォメーションセンターのような案内所などが含まれています。
一方で、階段やエスカレーター、トイレや事務所等は物品販売を行うために直接必要な部分とはみなされないため、店舗面積に含まれません。

以上のような条件で、大規模小売店舗に含まれた店舗は、生活環境保護のための配慮が必要となっています。

大規模小売店舗立地法_配慮事項

例えばきちんと駐車場を整備して、近隣の駐車場をむやみに混雑させないようにしたり、搬入・搬出のトラックなどで騒音を出さないようにしたり、街の景観を損なわないようにしたりといった配慮が必要となっています。

これら配慮に欠けた場合、都道府県は建物の設置者に勧告を行い、必要な措置を取らない場合はその事業者を公表することができるとされています。

以上のように、比較的大きな店舗を出店する際には、住民の生活環境を守るために法律が整備されているわけですね。

中心市街地活性化法とは?

続いて、中心市街地活性化法です。
こちらは中心市街地の都市機能の増進、それから経済活性化を目的とした法律となっています。

まずはイメージを掴むために、この法律によって経済活性化が達成された事例を見てみましょう。

中心市街地活性化法_事例

内閣府のホームページを見ると、新規出店者数増加の事例がありました。

この事例によると、兵庫県の明石駅周辺の新規出店数が1年あたり12店舗から22店舗におよそ倍増したようです。

具体的には明石駅前に商業施設、公共施設、それから高層住宅を整備して、駅から商店街にかけては、国道を横断する立体歩道を整備したことで、駅周辺の魅力を向上させるとともに、移動の利便性を上げたわけですね。

このような取り組みを行った結果として商業的な魅力が高まり、新規出店数が増加したというわけです。

これらの事業を行うときに必要な資金は、国土交通省の社会資本整備総合交付金が活用されたようです。

以上のように、中活法で認定された事業については、国土交通省等の各省庁の支援を受けながら、比較的大規模なまちづくりができるというわけですね。

中心市街地活性化法のスキーム

それでは中活法の具体的なスキームを見ていきましょう。
最初に押さえていただきたいのが、中活法は国・政府が絡む大規模事業であるということです。

まず最初に、中心市街地活性化本部というものが政府内に設けられ、そのまちづくりについての基本方針が定められます。
ちなみに、こちらの本部は内閣総理大臣が本部長を務めます
この時点で、国の本気度が伺いますね。

中心市街地活性化法のスキーム

そして基本方針が閣議決定された後には、対象となる市町村で基本計画が作成されます。
この計画の中で具体的な事業内容、定量的な目標、事業を行う期間などが検討されます。

検討する中で、商工会議所や民間企業などで構成される中心市街地活性化協議会にヒアリングを行い、市町村はその意見を反映します。
こうして基本計画が出来上がったら、内閣総理大臣に計画の認定申請を行い、無事認定されたら、市街地を活性化させるための各種事業が実施できるというわけですね。

事業実施にあたっては、各省庁から支援施策が提供されます。
国土交通省、経済産業省、総務省などが省庁が、交付金等でバックアップしてくれるわけですね。

このようなスキームに基づいて先ほどの明石駅のようなまちづくりが行い、その地域の利便性向上や経済活性化に繋げていくわけですね。

中活法は、まさにその街を大きく発展させる可能性がある法律となっていますが、診断士試験では、そこまで出題頻度は多くありません。
ザックリとしたイメージだけは持った状態で、試験に臨むようにしましょう。

都市計画法とは?

最後に都市計画法です。
こちらは都市の健全な発展と秩序ある発展を図るための法律となっています。

覚えておきたいのは、この法律で定められている区域区分についてです。

都市計画法では、都道府県内の様々なエリアを、都市計画区域と都市計画区域外に区分しています。

都市計画法_区域区分

都市計画区域は、計画的に都市として開発すべきエリアのことを言って、都市計画区域外は今のところ都市計画はなエリアというわけですね。

覚えておきたいのは、この法律で定められている区域区分についてです。
都市計画法では、都道府県内の様々なエリアを、都市計画区域と都市計画区域外に区分しています。

都市計画区域は、計画的に都市として開発すべきエリアのことを言って、都市計画区域外は今のところ都市計画はなエリアというわけですね。

都市計画区域はさらに3つに細分化されます。まずは市街化区域ですね。
こちらは既に市街化されている、あるいは10年以内に市街化するエリアのことを言います。

続いて、市街化調整区域です。
こちらは市街化には向かないエリアのことを言います。具体的には、田んぼや森林・山などが含まれますね。
当然このようなエリアはまちづくりには向かない場所ですので、市街化調整区域に含まれます。

それから最後に、非線引き区域です。
こちらは上の2つに含まれませんが、将来的に市街化する可能性があるエリアのことをいいます。
都市化が計画されているエリアのうち、その他のエリアといったイメージを持っていただければと思います。

それから、都市計画区域外の中にも、準都市計画区域というものがあります。
こちらは計画的に都市として開発することが決まっているわけではないエリアの中で、既に一定数の住居などがあり、中長期的には市街化の可能性がある地域のことを指します。
そういったエリアは準都市計画区域として定めて、一定の規制を設けておくことで、民間企業などが好き勝手に開発を進められないようにしておくわけですね。

区分区域は以上の通りですが、この区域ごとに用途が定められる用途地域と、用途が定められていない白地地域というものが設定されています。
用途地域に関する各種制限などに関しては過去の記事で解説していますので、ぜひそちらの動画もチェックしてみてください。

その上で、用途用途が定められていない白地地域では1万㎡超の大規模集客施設の立地が禁止されているということを念のため覚えていただければと思います。

都市計画法に関しては、用途地域の各種制限に関する内容が、試験対策上、圧倒的に優先度が高く、その他の論点として、この区域区分の考え方と白地地域の制限を覚えておけば、この論点に関してはバッチリかと思います。

過去問を解いてみよう (平成21年度 21問)

それではここまでの内容を、過去問を解いて復習してみましょう。

大規模小売店舗立地法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 同法では小売業が対象業種であるが、飲食店業は含まれていない。

イ 同法では店舗周辺の地域の住民の利便及び商業その他の業務の利便の双方への配慮を求めている。

ウ 同法の適用対象となる店舗面積は500平方メートルを超えるものである。

エ 同法の店舗面積に含まれる売場とは直接物品販売の用に供する部分をいう。

中小企業診断士試験 運営管理 平成21年度21問


大店立地法に関して不適切な内容を選ぶ問題ですね。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。

✅選択肢ア
これはその通りでしたね。小売店舗だけが対象となるのでした。

✅選択肢イ
これも正しい記述となります。試験本番では保留としておきたい選択肢ですね。

✅選択肢ウ
こちらは500平方メートルではなく、1,000平方メートルが正しい内容となりますので、選択肢ウがこの問題の正解となりますね。

✅選択肢エ
これは正しい記述です。
店舗面積に含まれるのは、直接販売に関わるところで、エレベーターや階段などは含まれないのでしたね。

以上、この問題は選択肢イかウで悩んだ上で、不適切な内容を選びたい問題でしたね。

過去問を解いてみよう (平成22年度 第21問)

今回はもう1問解いてみましょう。

都市計画法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。

イ 市街化調整区域とは、おおむね10年後から段階的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。

ウ 都市計画区域は、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域として、原則として都道府県が指定する。

エ 都市計画法は、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的 としている。

中小企業診断士試験 運営管理 平成22年度 第21問


今度は都市計画法に関して不適切な内容を選ぶ問題ですね。

✅選択肢ア
これはその通りですね。市街化区域の定義通りの説明となっています。

✅選択肢イ
これは誤りですね。
市街化調整区域は、市街化には向かないエリアを言うので誤りとなります。
選択肢イが、この問題の正解となりますね。

その他の選択肢に関しても、正しい記述となります。
特に選択肢ウの都市計画区域は都道府県が指定するという内容も、念のため覚えておきましょう。
都市計画法の「都」が都道府県の「都」であると覚えておけば、忘れにくいかと思います。

以上のように、都市計画法は用途地域についての問題が多く出題されますが、今回のようなそれ以外の論点も出題される場合がありますね。
今日の記事で解説した内容も念のため覚えておきましょう。

まとめ

それでは最後にまとめです。

今回解説した、まちづくり三法の各種内容の中で、まず優先的に覚えたいのは大店立地法です。

中心市街地活性化法のスキーム

大店立地法は、大規模店舗が出店する際に周辺地域の生活環境を保持するための法律なのでしたね。
対象店舗は1,000㎡超で、店舗面積に含まれるのは直接物品販売に関わる部分のみなのでした。

このような条件で大規模店舗に分類された場合は、生活環境を保持するための各種配慮が必要とあると定められているですね。

以上の内容と同じくらい重要なのは、都市計画法の用途地域に関する各種制限です。
こちらは過去の記事で解説していますので、この記事を見終わった後に必ずチェックしてみてください。

都市計画法のその他の論点と、中心市街地活性化法については、本試験の直前にこの動画を見直して内容を思い出す程度で良いかと思います。

はい、というわけで、今回はまちづくり三法をテーマに解説してみました。
正直この記事で解説した内容を全て覚えていれば完璧かというと、残念ながらそうではありません。

それほど細かい内容が問われる場合がありますのであります。
今回解説した内容は、最低限覚えておきたい内容だということを、ご留意いただければと思います。
さらに細かい内容については、過去問を解きながら確認してみてください。

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たかぴー
自己紹介:中小企業診断士の会社員。 YouTubeチャンネル 「たかぴーの中小企業診断士試験 攻略チャンネル」を運営中。 趣味:ジム・筋トレ、旅行、YouTube、ブログ 連絡先:takapi.channel@gmail.com

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