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マーケティングはセグメンテーションとターゲティングから始まると言っても過言ではないでしょう。
でも、そんなセグメンテーションとターゲティングの違いって、実はよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
そんなアナタに、今回はセグメンテーションとターゲティングの違いを解説したいと思います。
それではまず、セグメンテーションについてから、詳しく見ていきましょう。
1.セグメンテーションとは
セグメンテーションとは市場の細分化、つまり市場全体を細かく切り分ける行為を指します。
切り分けられた一つ一つのセルを、セグメントと呼びます。
例えば、以下は年齢と性別によって市場を切り分けた例です。
この例では、セグメントが4つに分かれていますね。
年齢層を細かく区切れば、さらにセグメントの数は増えていくでしょう。
それではセグメンテーションの詳しい方法について説明していきます。
1-1.セグメンテーションの方法
セグメンテーションの基準として代表的なものは、以下の4つが挙げられます。
②人口統計基準
③心理基準
④行動基準
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
①地理基準
地域基準は消費者の住んでいる地域によって区分する方法です。
都道府県単位や、ざっくりと関西・関東で分ける方法もあるでしょう。
もっと大きな枠組みで、アジア・アメリカ・ヨーロッパといった分け方も考えられます。
②人口統計基準
人口統計基準は、消費者の特定の属性によって区分する方法です。
年齢や性別、所得や学歴など、様々な分け方が考えられます。
③心理基準
心理基準は消費者の内面的な特徴によって区分する方法です。
楽観的・悲観的とか、明るい性格・暗い性格などの分け方が考えられます。
④行動基準
行動基準は消費者の特定の行動によって区分する方法です。
ある商品の使用頻度は多いか少ないか、購買する際積極的に情報収集するか、消極的なのかなどが考えられます。
観察可能な行動を軸に取るようにします。
このように、セグメントの切り分け方としては様々な方法が考えられます。
市場の切り分け方がマーケティングの出発点となるので、ぜひ有益な切り分け方を行いたいものですね。
1-2.セグメンテーションの注意点
セグメンテーションを行う際、以下の3点に気を付ける必要があります。
②意味のあるセグメンテーション
①数値化できる基準
先にセグメンテーションの基準として、心理的基準・行動基準を挙げましたが、これらを基準とする際は注意が必要です。
例えば楽観的・悲観的という基準でセグメンテーションを行う際、その定義は曖昧になってしまいます。
定義が曖昧な状態で各セグメントの規模を調査しても、ほとんど意味のないデータが出来上がるでしょう。
そこでおすすめなのが、心理的基準・行動的基準は、地理基準・人口統計基準に落とし込むことです。
楽観的な人は若者に多く、悲観的な人は高齢者に多いという傾向が見られるのなら、年齢を基準にセグメンテーションを行うべきです。
こうすると誰にでも明らかな基準だし、市場調査も行いやすくなるでしょう。
②意味のあるセグメンテーション
当然ではありますが、セグメンテーションは単に市場を細かく切り分ければよいというわけではありません。
セグメントの規模やセグメントの反応は観察可能かなど、様々な面から評価を行う必要があります。
以上を踏まえることで、マーケティング活動を行った際の振り返り・評価を行いやすくなるのです。
2.ターゲティングとは
ターゲティングとは自社が働きかけるセグメントを選定し、その働き方を決定する行為を指します。
自社が狙うセグメントのことをターゲットと呼びます。
例えば上の図の各セグメントのうち、赤枠で囲われた「30代の女性」が自社のターゲットに選定するわけですね。
このように、セグメンテーションからターゲティングは、一連の流れとなるのです。
2-2.ターゲティングの方法
ターゲティングの方法としては下記の3つがあります。
②分化型
③集中型
①無差別型
無差別型ターゲティングは、セグメントを意識せずに単一製品のみで全市場をカバーするターゲティング方法です。
同一製品を大量に生産することが可能なので、規模の経済を働かせて価格競争力を生み出すことができるという特徴があります。
製品ライフサイクルの導入期~成長期に有効なターゲティング戦略でしょう。
②分化型
分化型ターゲティングは、セグメントを十分意識した上で複数製品によって全市場をカバーするターゲティング方法です。
無差別型に比べ、各セグメントの満足度を向上させやすいというメリットがありますが、製品の多種多様化によってコストアップしてしまうというデメリットもあります。
製品ライフサイクルの成熟期におけるリーダーに有効なターゲティング戦略でしょう。
③集中型
集中型ターゲティングはセグメントの中から一つ、あるいは少数を選択して特化するターゲティング方法です。
対象とするセグメントに対して大きな強みを発揮でき、規模の経済を働かせて価格競争力を生み出すことも可能です。
ただし、ターゲットとするセグメントの規模が小さすぎると、よほどのシェアを確保しないと利益が生まれません。
製品ライフサイクルの成熟期における、チャレンジャーやニッチャーに有効なターゲティング戦略でしょう。
以上の3種類がターゲティングの方法です。
セグメンテーションを行った上で、自社の強みや業界の競争関係をもとに、有効なターゲティング方法を選択することが望ましいのです。
2-2.ターゲティングの注意点
ターゲティング方法を選択する際、それぞれの戦略のリスクを把握しておくことが大切です。
次の表で無差別型・分化型・集中型の特徴をまとめてみました。
価格競争力 | 多様化への対応 | 売上規模 | |
無差別型 | 高い | 弱い | 大きい |
分化型 | 低い | 強い | 大きい |
集中型 | 高い | 強い | 小さい |
このように、どのターゲティング戦略も一長一短なのです。
3.まとめ ターゲティングとセグメンテーションの違い
ここまで丁寧に読まれた方にはお分かりでしょうが、
改めてセグメンテーションとターゲティングの違いをまとめます。
セグメンテーションとは、特定の基準をもとに市場を細かく切り分ける行為です。
ターゲティングとは、切り分けられた市場の中で、自社が働きかける顧客層を選定する行為です。
セグメンテーションとターゲティングは自社のマーケティング戦略の方針づけの出発点です。
ここが疎かになると、いつまで経っても競争力が生まれないでしょう。
また、経営学の基礎・基本にあたるので、しっかりと覚えておきたい知識ですね。
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