どうもたかぴーです!
この記事を読んでくれているみなさんは、学校の授業や経済雑誌などで『規模の経済』『範囲の経済』『経験効果』という言葉をよく耳にしませんか?
それぞれの言葉の意味をなんとなくはわかっていても、その違いについてはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
実は私たかぴーもその一人だったりします(笑)
そこで今回は『規模の経済』『範囲の経済』『経験効果』についてまとめてみました!
この記事でそれぞれの違いを理解してもらえたら嬉しいです。
また、各語句の意味について理解している方は、最後のまとめだけ読んでみてくださいね!
規模の経済とは
それから少し経つと『経験効果』の説明があって、『規模の経済』と何が違っていたかよく分からなくなっちゃいます。
今回でその違いをしっかりと理解しようね。
まず大前提として、これら3つともコスト削減についてのキーワードだということなんだ。
だから余計ごちゃ混ぜに覚えていたのかもしれません!
『規模の経済』とは、ある製品の生産の規模が拡大することによって、単位あたりの費用が減少することなんだ。
もっとわかりやすく言うと、「より多く作るほど、製品を安く作れる」ということだよ。
でもそれってどうしてですか?
ちなみにこれら3つは説明できるかな?
生産量は文字通り、生産する量のことですよね。
固定費は、生産量にかかわらず必要な費用のことです。
工場の土地代や人件費などがそうですね。
変動費は、生産量によって変動する費用のことです。
製品を作るのに必要な原材料費などがこれに含まれますね。
じゃあここからは簡単な例を用いながら説明してみよう。
ある製品を作るのに、固定費が100円、1個作るごとに変動費が5円かかるとするよ。
これを50個作ったときのグラフが下の通りになる。
どうしてこのような現象が起きるのでしょうか?
これが原因なんだ。つまり、1つの工場でどんどん生産しているから、工場としての生産効率が上がっているんだね。
規模の経済が働く理由は、固定費にあったんですね~!
規模の経済のまとめ
規模の経済とは「ある製品の生産の規模が拡大することによって、単位あたりの費用が減少すること」です。
そして、規模の経済が働く理由は、生産量にかかわらず、固定費は一定であるためなのです。
実際には、生産量が増加するにつれ、工場などの建物の増築や、新たな生産者の雇用等が発生しますが、それでも規模の経済が働いていきます。
規模の経済が働くと、それだけ価格競争力が強くなります。
同じモノを作っていても、生産量の多い方がそれだけ安く作れますからね。
販売価格を安くすることもできるのです。
販売価格を安くすると、さらに消費が増え、生産量が増加し、さらに規模の経済が働く。
このような好循環が生まれるのです。
企業が市場シェアNO.1を目指す理由のひとつはここにあるんですね。
⇒関連:経済学で出てくる市場ってなに?市場の意味をわかりやすく解説
ちなみに、単位当たりの費用を数式で数式で表すと、以下のようになります。
単位当たり費用 = (固定費 + 変動費) ÷ 生産量
やはり数式で見るより、グラフで確認した方が分かりやすいですね(笑)
範囲の経済とは
『範囲の経済』とは、「取り扱う製品の種類が増加すると、個別に生産するより安く済むこと」を言うよ。
範囲の経済はどうして起こるのでしょうか?
1つ目は2つの製品を生産する時に、共通費用が発生するためだ。
例えば、2つの製品を同じ工場で生産する時と、別々の工場で生産するのとでは、かかる費用は全然違うよね?
工場の規模が同じだったら、生産にかかる費用は単純に2倍になってしまいます!
また、2つの製品で共通部品が必要な場合でも、範囲の経済が働くよ。
そしてもう一つは、生産の過程で副産物が生まれる場合だ。
例えばカルピスなんかは、生産の過程で乳脂肪分が副産物として出てくるんだけど、これを利用してバターを製造しているんだ。
乳脂肪分をゴミとして捨てるより、よっぽど経済的だよね!
ひとつの原材料から別々の製品を作ってしまうんですね!
確かにこれだと生産コストも低く出来そうです!
範囲の経済まとめ
『範囲の経済』とは、「取り扱う製品の種類が増加すると、個別に生産するより安く済むこと」です。
範囲の経済が発揮される場合は主に以下の二つが考えられます。
①生産過程に共通費用が発生する場合
②生産過程で利用可能な副産物が発生する場合
以上のように範囲の経済が発生する限り、企業は多様な製品を開発した方が、価格競争力が強くなります。
また、多種類製品の展開は、企業にとってリスク分散に繋がるため、企業の多角化戦略への誘因になっているのです。
経験効果とは
『経験効果』とは「累積生産量(経験量)が増加するたびに、単位当たりコストが減少すること」を言うよ。
違うところは、生産量ではなく累積生産量の増加に着目している点でしょうか。
つかさちゃんは、これまでに初めてチャレンジすることは難しくても、2回目にやるときは簡単に出来てしまったという経験はないかな?
一度やった問題集をもう一度やってみると、案外すんなり解ける時があります。
それでもテストではいい点数が取れませんケド。。
他には部活の練習もそうだと思うんだ。
最初は上手く出来なくても、3年間続けることで見違えるほど成長しているよね。
こうした普段、個人レベルで経験していることが、企業活動にも当てはまるんだ。
企業も同じ製品を作り続けることで、コツを覚えて生産の効率を上げていくんですね。
言われてみるとそうかもしれません!
一般的には、累積生産量が倍になると、製品1個当たりの費用は20~30%減少すると言われているよ。
そしてこれを表したグラフが下のようになる。
上のようなグラフを、「経験曲線」と呼ぶんだ。
もちろんこのまま当てはまらないこともあるでしょうけど、経営計画を立てる上ではとても大切になりそうです!
でも、当然何も考えずに仕事をするのと、コスト削減を常に意識しながら仕事をするのとでは、経験効果の成果も全然違うんだ。
そういった意味で従業員の意識の高さも重要だね。
いずれにしても「継続は力なり」ということがよくわかりました!
経験効果まとめ
『経験効果』とは「累積生産量(経験量)が増加するたびに、単位当たりコストが減少すること」です。
経験効果は生産における経験量が、コスト削減に繋がるという考え方をしています。
そして、経験量を数値化するために、累積生産量を用いているんですね。
経験効果をもとに考えると、企業が事業の継続期間が長ければ長いほど、価格競争力が強くなります。
つまり、新規参入者と業界の老舗企業との競争優位性のひとつが説明出来るんですね。
逆に、最初は事業が上手くいかなくても、諦めずに事業を継続することで、コスト削減による逆転のチャンスを掴めるかもしれません。
事業計画を立てる上で、「経験効果によりどれだけコスト削減が見込めそうか」という視点を盛り込んで見るのも面白いですね。
関連記事⇒経験効果を発生させる6つの要因
まとめ
『規模の経済』『範囲の経済』『経験効果』についてまとめてみました。
それぞれの意味をもう一度記します。
○規模の経済:生産量が増加することによって、単位あたりの費用が減少すること
○範囲の経済:取り扱う製品の種類が増加すると、個別に生産するより安く済むこと
○経験効果:累積生産量(経験量)が増加することによって、単位当たり費用が減少すること
確認のために、それぞれの違いについてもみてみましょう。
まず、『範囲の経済』だけが2種類以上の生産に関してのコスト削減で、『規模の経済』と『経験効果』は1種類の生産に関するコスト削減だということがわかります。
また、『規模の経済』と『経験効果』は単なる生産量か、累積生産量かの違いがありますね。
つまり、『規模の経済』はある特定時点での生産量を問題にしているのに対して、『経験効果』は過去から現在に至るまでの生産量に着目しているのです。
もし1年あたり生産量が毎年同じであれば、規模の経済は働きませんが、経験効果は働くのです。
そして1年あたりの生産量が毎年増加していくと、規模の経済も、経験効果も働いていくのです。
企業のコスト削減を考えていく時、あるいは価格競争力のある企業を分析する時、この3つの視点から企業を見てみると、おもしろいかもしれませんね。
[…] 値下げは規模の経済が働く等の合理的な理由がなければ行うべきでありません。 特に開発費の回収等を行わなければならない段階の値下げは、事業の存続にかかわります。 […]
[…] ブランド力と規模の経済や経験効果に裏付けされた価格競争力があります。 […]
[…] 製品ライフサイクルについて詳しく知らい方はこちら […]
[…] 同一製品を大量に生産することが可能なので、規模の経済を働かせて価格競争力を生み出すことができるという特徴があります。 […]
[…] 詳しくはこちら⇒規模の経済・範囲の経済・経験効果 それぞれの違い […]