コスト削減

経験効果を発生させる6つの要因!これでコスト削減を実現しろ!

Pocket

経験効果とは、「累計生産量が倍増するたびに、一定の比率でコストが減少する現象」とされています。
それまでの経験量がコスト削減に貢献しているという理論ですね。

ところで、この経験効果とは具体的にどのような要因から発生しているのでしょうか?
確かに経験を積み重ねることでコツをつかんで、要領がよくなるという経験はだれにでもあるはずです。
しかし、実際の企業活動では従業員の効率アップにも限界があります。

それでは、他にも経験量がコストに影響を与えてる要因があるのではないでしょうか?
もしその項目がわかれば、現在の事業でどれだけの経験効果が期待できそうか、推測することができるかもしれませんね。

そこで今回は、経験効果を発生させる要因を6つにまとめてみました!

1.人によって引き起こされるコスト削減

経験効果の発生要因は大きく分けて3つあります。

  • 人的要因・・・人の効率アップによるコスト削減
  • 生産的要因・・・生産設備の効率アップによるコスト削減
  • 製品的要因・・・製品設計の単純化によるコストアップ

これらの要因がそれぞれ絡み合って、経験効果が発生していると推測されるのです。

それではより具体的には、どのようにしてコスト削減を実現していくのでしょうか?

まずは人的要因から掘り下げていきましょう。

発生要因①労働者の効率向上

なんといっても代表的なのは、労働者がコツを覚えることで効率が上がるという理由でしょう。

特定の作業を繰り返し繰り返し行うことで、イヤでも熟練度が増していきますよね。
同じ作業を行っていても、半年、1年と経過するごとに作業スピードが上がるという経験はだれにでもあると思います。

こうした熟練による経験効果は、製造現場の作業者による直接業務のみだけではなく、販売・マーケティングなどの間接業務においても観察されます。

 発生要因②作業方法の改善

先程は同一作業をしていても、作業スピードが向上するという意味での効率アップでした。
次は、作業方法そのものを改善することによるコスト削減です。

経験の蓄積にともなって、分業のあり方が見直され、特定作業の専門家が進むことがあります。専門特化によって、その作業の生産効率を高めるだけでなく、工程や動作の改善などが行なわれるようになるのです。こうして、従来よりも単純化した作業方法で、より効率的に作業を行われ、結果としてコスト削減につながります。

2.生産設備によって引き起こされるコスト削減

ここまではビジネスに限らずとも、感覚的に経験効果の発生理由が想像できる範囲でしたね。
しかし、経験効果を発生させる要因は人的要因に限りません。
ここからは生産設備の効率向上によるコスト削減をみていきましょう。

発生要因③生産設備の能率向上

生産に必要な様々な設備に関しても、効率化が図られます。

生産設備が稼働し始めた直後には、生産効率が比較的低い水準にとどまっていることが多いです。設備の利用経験が増すにつれ、生産効率の向上を目指した工夫が行われ、ノウハウが蓄積されていくのです。

具体的な例でいうと、省エネ活動がこれにあたります。
経験量が積み重なることで、無駄な電気・ガス・重油の使用量の削減が徹底されるようになるのです。

発生要因④資源調達コストの削減

経験量が増加することで、経営資源の中でも、ヒト・モノの調達コストの最適化が図られるようになります。

ヒトについては、これまで正社員が行っていた作業を、安い労働単価であるアルバイト従業員に行わせるようになったり、従来は熟練作業者が行っていた作業を機械化による自動化を図ったりすることで、大幅なコスト削減が実現されることがあるのです。

モノについては、仕入れ業者の見直しや流通ルートの改善より、生産に必要な原料・部品などの仕入れコストを削減できるようになります。

3.製品の変化によって引き起こされる経験効果

最後に、製品の変化による経験効果発生要因をみていきましょう。
製品の仕様が変わることで、従来よりも簡単に製造が行なわれるようになるのです。

発生要因⑤製品の標準化

製品が標準化されると、熟練に必要な作業の反復が可能になり、コスト削減に繋がります。

たとえば、自動車メーカのフォードは、かつてT型と呼ばれる単一モデルの大量生産を追求した結果、価格の引き下げに何度も成功しています。
逆に多様なモデルの自動車を作ろうとすると、なかなか1品種あたりのノウハウの蓄積ができす、効率化が図れないのです。

発生要因⑥製品設計の改善

最後は製品設計が改善されることによるコスト削減です。

製造者の製造経験、顧客の購入・使用経験が蓄積されるにつれて、生産者・顧客共に、その製品に求められる性能を明確にとらえられるようになります。製品に求められる性能水準について理解が深まれば、顧客のニーズを満たしつつも、無駄な機能を削ったり、単純な設計に変更することで、従来よりも簡単に製品をつくることができるようになるのです。

まとめ:コスト削減は様々なところから引き起こさされる

いかがでしたでしょうか?

経験効果の発生理由を深く掘り下げてみると、人的要因、生産的要因、製品的要因の3つに大別できました。
これらの要因が複合的に重なり合って、経験効果は生み出されていくのですね。

しかし、これらは経験量によってコスト削減が実現された事案をリスト化しただけにすぎず、
「なぜ経験量が倍増すると、”一定比率で”コストが削減されるのか」という問題は未だに解決されていないのです。

いずれにしても、業界や取扱い製品・サービスによって、経験効果の働き方にはブレがありそうです。
今回紹介した発生要因にあてはめて、どれだけ経験効果が発揮されることが期待できるか考えてみるのも面白いかもしれませんね。

では!

関連記事⇒経験効果と規模の経済、範囲の経済の違い

Pocket

ABOUT ME
たかぴー
自己紹介:中小企業診断士の会社員。 YouTubeチャンネル 「たかぴーの中小企業診断士試験 攻略チャンネル」を運営中。 趣味:ジム・筋トレ、旅行、YouTube、ブログ 連絡先:takapi.channel@gmail.com

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA