一次試験対策

準拠集団がブランド・カテゴリー選択に与える影響とは?/企業経営理論/中小企業診断士試験

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はい、どうも中小企業診断士のたかぴーです!

今回は準拠集団をテーマに解説していきたいと思います。

少し細くて、覚える内容もややこしい論点ですので、この機会にしっかりと理解して、試験問題にも対応できる力をつけていきましょう。

YouTube動画でも解説中!

準拠集団とは?

まず準拠集団とは、消費者の消費行動に影響を与える集団や個人のことを言います。

企業からすると、自社商品の購入に関して影響を与えられる人がいるのであれば、その人たちを上手くマーケティング活動に使いたいですよね。
そういった意味で、この準拠集団の特徴をしっかり把握しておくことは重要となります。

この準拠集団には様々な区分が細かく定められていますが、試験対策上は次に説明する2つの区別を覚えていただければと思います。

準拠集団とは?

帰属集団

まずは帰属集団ですね。
こちらは自分が所属している会社の同僚や家族、友人などが含まれます。

この記事をご覧の皆さんも製品やサービスを購入する時に、少なからずこういう人たちに意見を聞いたり、どういったものを購入しているの見ながら自分の商品を買ったりしますよね。
紛れもなく消費行動に影響を与える人たちなので、準拠集団に含まれます。

願望集団

もう一方は願望集団です。
こちらは自分が所属しているわけではないのですが、自分が憧れている人物や集団などが当てはまりますね。テレビタレントやYouTuber、スポーツ選手などが含まれます。

「有名人が使っているブランドのファッションを自分もしてみたい」
「あのスポーツ選手が使っているシューズと同じものを使いたい」
といった形で、このような人たちも私たちの購買行動に影響を与えます。

準拠集団のポイントは、自分が所属している・していないにかかわらず、私たちの消費行動に影響を与えてくるというところです。
この点は試験でも問われるポイントなので、しっかりと押さえておきましょう。

カテゴリー採択時に与える影響

続いて、準拠集団がカテゴリー採択に与える影響について見ていきましょう。
準拠集団は、検討の対象が高級品の場合、その製品を買うかどうかに影響を与えると言われています。

カテゴリー採択時に与える影響

高級品のカテゴリー採択に与える影響

まず、高級品とは、無くても生活できるものと捉えるとわかりやすいかと思います。

具体的な例で言いますと、デジタルカメラが当てはまります。
確かにあったら便利ですが、無くても生活には困りませんよね。

例えば、会社の人や友人全員の趣味がカメラで、集まるたびに趣味の話ばかりされていたら、ついつい自分もカメラを買って会話の中に入りたくなりますよね。

このように高級品のような生活には必ずしも必要がないような製品カテゴリーは準拠集団の影響を強く受けて、その製品カテゴリーを買うという購買行動が起こるとされています。

必需品のカテゴリー採択に与える影響

一方、高級品とは反対に、必需品と呼ばれる、無いと生活ができないものもありますね。
必需品を買うかどうかは、準拠集団の影響を受けにくいとされています。

具体例としては、スマートフォンを挙げてみようと思います。今となってはスマホがないと生活はかなり不便ですからね。
スマホに関しては、iPhoneかその他のAndoroidブランドにするかを人に相談することはあっても、スマホを買うべきかどうかを相談することは基本的にはありませんよね。

以上のように、そもそもその製品を買うかどうかという製品カテゴリーの採択時には、高級品の方が準拠集団の影響を強く受けるとされています。

ブランド選択時に与える影響

ある製品カテゴリーを購入することを決めた後、皆さんは具体的にどんなブランドを購入するか、検討することになりますよね。
準拠集団は、このブランド選択にも影響を与えると言われています。

具体的には、準拠集団は公的な商品の購入に際して、どのブランドにするかに影響を与えるとされています。

ブランド選択時に与える影響

公的な製品のブランド選択時に与える影響

公的な商品とは、他人に見られる製品だというイメージですね。

具体的な例としては、腕時計がわかりやすいかと思います。
腕時計は、スマートウォッチを着けているのか、ロレックスの時計を使っているのか、それともG-SHOCKを使っているのかで、その人の印象がだいぶ変わってきますよね。

このように人から見られるような公的な商品に関しては、周りの人の意見を参考にしたり、自分の憧れている人がどんなブランドを身に着けているのか参考にしながら、自分で購入するブランドを決定する傾向があります。

人の目を気にする製品の購入は、準拠集団の影響を受けるわけですね。

私的な製品のブランド選択時に与える影響

一方で、私的な商品というものもあります。
これは他人に見られるようなものではない商品ですね。

具体例としては、目覚まし時計が当てはまるかと思います。
こういったものは他人の目を気にするものでもないので、誰に相談することもなく、自分が気に入った時計を買いますよね。

このように人目を気にする公的な商品に関しては、準拠集団の影響を受けて、自分だけで使うような私的な商品は自分だけの考えで商品を買う傾向があるわけですね。

ちなみに公的なことをパブリック、私的なことをプライベートといった表現を使うこともあるので、この表現も併せて覚えておきましょう。

カテゴリー採択・ブランド選択の整理

それでは、ここまでの内容を表でまとめてみたいと思います。

カテゴリー採択・ブランド選択の整理表

まず、横軸に準拠集団の影響が強いか弱いか、縦軸にはカテゴリー採択か、ブランド選択かの2種類を書きました。

カテゴリー採択の準拠集団の影響が強く出るのは高級品なのでしたね。
そして、比較的影響が弱いのは必需品なのでした。

また、ブランド選択に対して準拠集団の影響が強く出るのは公的な商品で、比較的弱いのは私的な商品なのでしたね。

いかがでしょうか?
こうすることで、市販のテキストの表と比べると必要な情報がコンパクトにまとめらているかと思います。

少なくともカテゴリー採択で影響を受けるのは高級品で、ブランド選択で影響を受けるのは公的な商品という点を覚えれば、十分に試験問題に対応できますので、この点を優先的に押さえていただければと思います。

過去問を解いてみよう (平成24年度 第27問 改題)

それでは、ここまでの内容を過去問を解いて復習してみましょう。

消費者行動に影響を及ぼす社会的要因のひとつである準拠集団に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

イ 準拠集団とは、家族、職場、世代など、個人が直接・間接に所属している集団のことである。

ウ 準拠集団は消費者にとって、情報源となるだけでなく、価値観や規範の形成要因ともなる。

エ プライベートな場面で使用される製品よりも、パブリックな場面で使用される製品の方がそのブランド選択において準拠集団の影響は大きくなる。

中小企業診断士試験 企業経営理論 平成24年度 第27問 改題

準拠集団について不適切なものを選ぶ問題ですね。
なお、選択肢アは、今回の論点から外れるので、記載していません。それでは選択肢を一つ一つ見ていきましょう。

✅選択肢イ
準拠集団とは、個人が直接・間接に所属している集団のこととありますが、準拠集団には自分が所属していない集団も含まれるので、誤りとなります。
ということで、選択肢イがこの問題の答えとなりますね。

✅選択肢ウ
準拠集団は消費者にとって、情報源となるだけでなく、価値観や規範の形成要因になるという記載は正しいですね。単に情報源とするだけでなく、価値観も影響されるという点も、頭の片隅に入れておきましょう。

✅選択肢エ
パブリックな場面で使用される製品はブランド選択において準拠集団の影響は大きくなるとありますが、先ほどの表で確認してみると、確かに公的な製品はブランド選択時に準拠集団の影響が強くなりますので、正しい記載ですね。

カテゴリー採択・ブランド選択の整理表

この問題は、準拠集団について正しいイメージを持った上で、どういうケースで準拠集団の影響が強くなるのかを理解できているか問われました。
間違えてしまった方は、よく復習しておきましょう。

まとめ

それでは最後にまとめです。

準拠集団まとめ

準拠集団とは、消費者の消費行動に影響を与える集団や個人のことを言うのでしたね。
ちなみに、その集団に所属しているか、所属してないのかは問わないのでした。
上画像の※印で書いている内容も重要ですので、覚えておいてくださいね。

準拠集団が与える影響は、表でまとめることができたのでしたね。
カテゴリー採択に強い影響を与えるのは高級品で、ブランド選択に強い影響を与えるのは公的な製品だと覚えていただければ、この論点はバッチリかと思います。

というわけで、今回は準拠集団について解説をしてみました。

令和4年に準拠集団の問題が出題されていて、価値表出的影響や功利的影響といった内容も問われていました。かなり細かい内容なので、この記事には含めていませんが、この論点をマスターしたい方は、一度ご覧になってみてください。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
勉強頑張ってください!応援しています!!

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