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【障害対策の手法】フォールトトレランスとフォールトアボイダンスの違いとは?各用語の覚え方をまとめて解説します!/経営情報システム/中小企業診断士試験対策

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はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。

今回は経営情報システムから障害対策の手法をテーマに解説していきたいと思います。

この論点は似たようなカタカナ用語が複数登場するので、非常に覚えにくく、苦手意識を持たれている方も多いかと思います。

今回は用語の解説とともに覚え方もご紹介したいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

YouTube動画でも解説中!

フォールトトレランスとフォールトアボイダンスの違い

改めて、今回学習する用語は、システム等の障害対策の手法に関する用語となります。

まずはフォールトトレランスとフォールトアボイダンスの違いを見ていきましょう。

フォールトトレランスとは?

フォールトトレランスとは、障害が発生したときに、運転を継続できるようにする設計概念のことを言います。

フォールトトレランスとは?

例えば飛行機には複数のエンジンが積まれていますが、どれか1つのエンジンがトラブルによって故障したとしても、他のエンジンが補う形で、そのまま飛行できる設計となっているそうです。
これがフォールトトレランスのわかりやすい一例となりますね。

フォールトアボイダンスとは?

一方、フォールトアボイダンスとは、システムの信頼性を高めて、障害そのものを発生させないようにすることをいいます。

フォールトアボイダンスとは?

フォールトトレランスは障害が起こることを前提としていますが、フォールトアボイダンスは障害そのものを発生しないようにするという点で、考え方が全く正反対であることがわかりますね。

先程の例で言うと、より高品質なエンジンを選択したり、しっかりとメンテナンスを行って障害が起こる可能性を下げるイメージとなりますね。

ちなみに、フォールトトレランスの“トレランス”は、英語で”耐性”を意味する単語で、フォールトアボイダンスの“アボイダンス”は、”回避”を意味しているようです。

フォールトトランスは障害に耐えながらも、なんとか運転を継続するのに対して、フォールトアボイダンスは障害そのものを回避していると覚えておけば、忘れにくいかと思います。

フェイルソフトとフェイルセーフの違い

続いてフェイルソフトとフェイルセーフの違いを説明したいと思います。

どちらの用語も、フォールトトレランスの具体的な手法となります。
障害が起こったときに、どのようにシステムの運転を継続するのかを表す用語となるわけですね。

フェイルソフトとは?

フェイルソフトとは、機能を低下させて、運転を継続させるような設計のことを言います。

フェイルソフトとは?

例えばATMで紙幣が使えなくなる障害が起こっても、硬貨は使えるように設計しておくというケースが当てはまります。
どこか1つの機能が失われても、他の機能は使い続けるように、事前に設計しておくようなイメージですね。

フェイルセーフとは?

続いてフェイルセーフとは、障害による被害が拡大しないように制御することを言います。

フェイルセーフとは?

例えば地震などの災害があって、停電になってしまったとき、信号機が赤で点滅していることを見た事はないでしょうか?
あちらがフェイルセーフの一例と言えますね。

もし災害時に信号機が”青の点灯”で止まってしまうと、交通事故が立て続けに起こってしまう危険があります。

ですので、フェイルセーフではもし障害が起こってしまっても、それ以上の2次災害などが起こらないように、あらかじめシステムに安全装置を組み込んでおくような設計であると言うわけですね。

ちなみに、用語の覚え方としては、フェイルソフトのソフトは”ソフトランディング”というイメージを持っておくと良いでしょう。
ソフトランディングとは軟着陸を表す言葉で、飛行機が緩やかに降下して着陸する様子を表します。
このイメージで、フェイルソフトは機能が緩やかに低下しているようなイメージを持っておくと良いでしょう。

一方、フェイルセーフのセーフは、英語で”安全”という意味ですので、障害が起こったときに安全を担保するような仕組みであると覚えておけば忘れにくいかと思います。

障害対策:その他の用語

続いて、障害対策のその他の用語を4つご紹介したいと思います。

フールプルーフとは?

フールプルーフとは、操作ミスをしても、重大な事故を招かないような設計のことをいいます。

フールプルーフとは?

例えばパソコンで作業途中のソフトを閉じようとしたときに、ファイルを保存するかどうかの警告が表示されますよね。

これがフールプルーフの一例となります。
フールプルーフは、ユーザ側の人的ミスによって、重大な事故が起こらないように、未然に防いでくれるような仕組みのことを言うわけですね。

フォールバックとは?

フォールバックは、不具合部分だけを切り離し、残りの部分で運用を継続することをいいます。

フォールバックとは?

例えばノートPCにサブのモニターを接続して操作していた時に、何らかの不具合でサブモニターが使えなくなったとしても、メインのノートPCはそのまま使い続けられますよね

このように、障害が起こったとしても利用できる部分だけで運用を継続すること、フォールバックといいます。


フェイルオーバとは?

フェイルオーバとは、障害が起こったときに、待機系システムに処理を継続させ、運用を継続することをいいます。

フェイルオーバとは?

例えばメインサーバーが不具合でダウンしてしまった際、サブのサーバーに処理を引き継がせることで、運用を継続するようなイメージですね。
フェイルオーバはここまで学んできてきたその他の用語と違って、システムの機能自体は全く低下していない点が特徴的ですね。


フォールトマスキングとは?

フォールトマスキングとは、障害の影響が外部に出ないように補正することを言います。

フォールトマスキングとは?

例えば、あるユーザーがスマホでYouTubeを楽しんでいたとします。

通常は近くの基地局を経由して通信のやりとりをしていますが、こちらが何かの不具合で通信データの送受信ができなくなってしまった際、別の経路を利用してデータの送受信を行うことで、ユーザーからすると全く不具合が起こっているように見えなくするような仕組みを、フォールトマスキングと言うわけですね。

こちらはあくまでユーザ目線で障害が起こっているように見えるかという視点である点が、特徴的な用語といえます。

各用語の覚え方

それではここまでの用語の覚え方を解説してみたいと思います。
いきなり大量の用語を目にしたので、前半に何を説明されたか覚えているいないという方も多いのではないでしょうか。

今回の障害対策の用語を覚える際には、構造で整理することが大切と考えます。
障害対策としては、設計系と運用系に分解できます。

障害対策の手法_各用語の覚え方(設計系)

設計系としては、フォールトトレランスとフォールトアボイダンスがあり、フォールトトレランスの”トレランス”は耐性を意味する言葉で、障害が起こった際にも運転を継続できるような設計のことを言うのでした。

それに対して、フォールトアボイダンスの”アボイダンス”は、回避を意味する言葉で、障害そのものを回避しようとするのでしたね。

フォールトトレランスの具体的な手法としては、フェイスソフトとフェイルセーフがあり、フェイルソフトの”ソフト”は、ソフトランディングをイメージしていただいて、機能が低下しながらも、運転を継続するようなすることを意味しているのでした。

一方で、フェイルセーフの”セーフ”は安全を意味する言葉なので、障害が起こっても二次災害が生まれないように安全装置が作動するようなイメージなのでしたね。
以上が障害対策のシステム設計に関する用語でした。

それに対して、これから見る2つの用語は、どちらかと言うと、障害が起こったときにどのように対応するのかという運用面を表す用語となっています。

障害対策の手法_各用語の覚え方(運用系)

1つ目はフォールバック、もう1つはフェイルオーバと整理しましょう。

2つの用語の覚え方は、フォールバックの”バック”に着目して、機能が前世代に戻る”というイメージを持っておきましょう。
前の世代に戻るということは、機能が低下するというように紐付けておけば、障害時に機能が低下してでも運転を継続する状態を思い出せるかと思います。

ちなみにフェイルソフトとフェイルバックはほとんど同じ意味ですが、体系図でわかるように、フェイルソフトは設計側の用語で、オールバックは運用面での用語となります。

また、フェイルオーバは”オーバー”と言う言葉に着目して、”障害を乗り越える”と覚えておきましょう。
フェイルオーバは障害が起こった時、待機系のシステムに処理を引き継がせるので、障害による機能低下は起こらないのでしたね。
このようにして障害を乗り越えていると覚えておくと役立つかと思います。

フールプルーフとフォールトマスキングの覚え方

今回解説した用語は残り2つありました。
残り2つは先程の体系図とは独立して覚えていた方が良いかと思います。

1つ目はフールプルーフですね。
こちらはソフトを閉じるときに出てくる警告のポップアップをイメージしておけば良いので、
今回学習する用語では一番覚えやすいかもしれませんね。

最後はフォールトマスキングです。
フォールトマスキングは、マスキングテープをイメージいただけると宜しいかと思います。

マスキングテープは塗装などをするときに使われる養生テープですが、このテープで貼っている様子が、障害を隠している様子であると、紐付けと覚えておくと用語の意味を連想しやすいかと思います。

以上のように、やや強引ではありますが、用語に使用されている単語の意味から関連付けながら覚えておくと、本試験でも思い出しやすいかと思います。

1つでもご自身の中でしっくりくるものがあれば、ぜひ覚え方の参考にしていただければと思います。

過去問を解いてみよう (平成27年度 第12問)

それではここまでの内容を過去問解いて復習してみましょう。

情報システムの信頼性を高めることがますます重要になってきている。
高信頼化へのアプローチに関する以下の①〜④の記述と、その名称の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

① 故障や障害が発生しないよう対処する取り組み。
② 故障や障害が発生したときも主な機能の動作が続行できるように設計すること。
③ 故障や障害が発生した場合でも限定的ながらシステムの稼働を続行している状態。
④ 故障や障害が発生した場合、システムの被害を最小限にとどめる動作をさせること。

[解答群]
ア ①:フェイルセーフ②:フォールトアボイダンス
  ③:フェイルソフト④:フォールトトレランス

イ ①:フォールトアボイダンス②:フェイルオーバ
  ③:フォールトトレランス④:フォールバック

ウ ①:フォールトアボイダンス②:フォールトトレランス
  ③:フォールバック④:フェイルセーフ

エ ①:フォールトトレランス②:フェイルセーフ
  ③:フェイルオーバ④:フォールトアボイダンス


用語の意味と、その名称の組み合わせを選べる問題ですね。
①から順番に見ていきましょう。

①では、故障や障害が発生しないよう対処する取り組みとあります。
そもそも障害が発生しないようにするのは、フォールトアボイダンスと言うのでしたね。

続いて②です。
障害が起こった時も動作が継続する設計思想については、フォールトトレランスとフェイルソフトの2つがありましたが、選択肢を見ると②はフェイルソフトがありませんので、フォールトトレランスが当てはまるかと思います。

続いて③です。
機能が低下しながらも、システムが稼働することはフェイルソフトかフォールバックと言うのでしたね。
③の説明は状態を指しているということと、①がフォールトアボイダンスであることから、
選択肢はイかウにに絞られていることを含めて考えると、③はフォールバックであると考えられます。

最後に④です。
障害が発生したときに安全を重視するのはフェイルセーフでしたね。

以上から、選択肢がウがこの問題の正解となります。

今回学習した用語はそれぞれ似ている言葉なので、用語の意味を正しく理解していても、判断に迷う問題が出題されるかと思います。

この問題では①のフォールトアボイダンスと④のフェイルセーフが比較的自信を持って答えられるかと思いますので、こういった自信のある用語から間違い選択肢を削って、答えに辿り着くのが、より現実的な対応方法かと思います。

とはいえ、最初からテクニックに走るのではなく、まずは用語の意味をしっかりと理解することを優先してくださいね。

まとめ

それでは最後にまとめです。
今回学習した学習用語は、システムなどの障害対策の手法に関する用語なのでした。

そして、まずは6つの用語の違いを、こちらの体系図と、用語に使用されている単語の意味を紐付けながら覚えていただければと思います。

障害対策の手法_各用語の覚え方(運用系)

本試験では用語の意味が似ている、これら6つの意味の違いが問われやすいので、優先的に覚えてください。

余裕があれば、この体系図に書かれてないフールプルーフやフォールトマスキングを押さえておくイメージですね。

はい、というわけで、今回は障害対策の手法について解説をしてみました。

情報情報システムは、普段聞き慣れない用語を数多く学びますので、その都度は語呂合わせで覚えていると、ゴロ自体が大量にできてしまい、かえって覚えにくくなってしまうかと思います。

今回のように使われている単語から意味を類推できるようにしていた方が、暗記負荷は小さくて済むと思いますので、今回はこのような内容としてみました。

ぜひ、今回の内容を参考にして覚えていただければと思います。

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