はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。
今回は部品表の読み取り方をテーマに解説していきたいと思います。
内容としてはそこまで難しくはありませんが、いざ問題を解こうとするとなかなか答えが合わないという方も多いのではないでしょうか。
今回はミスなく、正確に必要な部品数を計算する方法を説明したいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
部品表 (BOM) とは?
今回学習する部品表とは、製品を生産するのに必要な部品の種類と数を示した表のことを言います。
部品表には主に2種類あって、1つがサマリー型部品表ですね。
製品に必要な部品を並列で表示する部品表となっています。
例えば上の図のように、製品X1個作るのに必要な部品は、部品aが3個、bが1個、cが5個というように表示されているイメージですね。
これに対してストラクチャ型部品表というものがあります。
ストラクチャ型部品表は中間工程を考慮して部品数を表示したものです。
上の図では、製品Y1個に対して、部品αが1個、βが3個、γが1個必要だと表示されていて、さらに部品αにはmが2個、nが3個、部品γにはsが3個必要だということが記載されています。
両者を見比べてみてわかる通り、サマリー型部品表は最終的に必要となる部品数がわかりやすいのに対して、ストラクチャ型部品は、工程ごとに必要な部品数が分かりやすいというメリットがあります。
サマリー型部品表は必要な部品数部品を発注する購買部に役立ち、ストラクチャ型部品表は実際に組み立てを行う製造部門で役立つ部品表と言えますね。
本試験でよく出題されるのは、ストラクチャ型部品表なので、こちらの読み取り方を詳しく説明していきたいと思います。
ストラクチャ型部品表の読み取り方
ストラクチャ型部品表が本試験で出題される際は、以下のような部品表が与えられた上で、製品Xを1個生産するのに必要な部品eの個数はいくつかといった問題が出題されます。
まずは、部品表の読み取り方を確認してみましょう。
上図の紫で囲った部分に関しては、製品Xを1個作るには、部品A2個と部品B1個が必要だと読み取ります。
カッコ内の数字が必要な部品数を表しているわけですね。
一方で緑で囲った部分に関しては、部品A1個にを作るには部品e2個と部品f3個が必要だということを表しています。
部品A2個に対する必要個数が記載されているわけではないという点に注意ですね。
あくまで下に紐づいている個数は、上段の部品や製品1個あたりで必要な個数となっています。
ストラクチャ部品表の計算
それでは先ほどの部品表を使って、部品eに必要な個数を計算してみたいと思います。
計算するときは数式に落とし込むと抜け漏れを防げます。
まずX1個作るのに必要な部品数としては、部品Aが2つ部品Bが1つ必要なので、A×2 + B×1といった計算式で表すことができますね。
X = A × 2 + B × 1
ここで、部品Aについては、部品eが2つ、部品Bは部品eが3つ必要なのでした。
部品Aを作るには部品fも必要なのですが、今求めたいのは部品eの個数なので、fは無視して大丈夫です。
数式で表すと、Aはe×2、Bはe×3と表記することができますね。
そして部品Aは2つ、部品Bは1つありましたのでカッコの外に、×2 , ×1を加えます。

後はこれを計算するだけですね。
このように最終的に必要な製品に紐付く部品数を、上から段階的に分解していきながら計算式を作って、素直に計算していけば間違いが起こりにくいです。
1度やり方を覚えてしまえば、後は実践あるのみですので、実際に過去問を解いてみましょう。
過去問を解いてみよう (平成23年度 第9問)
それではここまでの内容を、過去問を解いて復習してみたいと思います。
最終製品XとYの部品構成表が下図に与えられている。( )内の数は親に対して必要な部品の個数を示している。製品Xを10個、製品Yを5個生産するのに必要な部品eの数量を計算せよ。
中小企業診断士 運営管理 平成23年度 第9問
製品Xを10個、製品Yを5個生産するのに必要な部品eの個数を計算する問題ですね。
先
ほどと同じように計算式で表してみましょう。
まず製品Xが10個、製品Yが5個必要なので、10X+5Yと表すことができますね。
部品e必要数の計算式 = 10X + 5Y
ここでXについては部品Aが2個、Bが1個必要で、Yには部品Cが1個、Dが3個必要であることがわかります。
ですので、XとYはそれぞれ2A+B、C+3Dと表すことができますね。
そしてさらに、部品Aはeが1個、Bは2個、部品Cは3個、Dは1個必要だとわかりますので、2A+BとC+3Dの部分も、部品の必要個数に応じて書き換えることができます。
ここまできたら、後はただの算数の問題ですね。

ですので、製品X10個と製品Y5個を生産するのに必要な部品の個数は、70個であると答えがを求めることができました。
部品表の隣に必要な部品数をメモ書きして計算するやり方もありますが、どうしても複雑な問題になると抜け漏れから生じてしまいますので、少し面倒ではありますが、このように計算式で表した方が最終的に計算ミスが少なくて済むかと思います。
問題を解く際の参考にしてみてください。
まとめ
それでは最後にまとめです。
今回は部品表について解説をしてみました。
この論点では気をつけるべきポイントは2つあります。

ストラクチャ部品表はこのような形で表されてますが、緑で表した部分はX1個に必要な部品数をそれぞれ表していて、紫についてはA1個に必要な部品数を表しています。
くれぐれもA2個に対して必要な部品数でないことにご注意ください。
それからポイントの2つ目は、必要な部品数はこのような数式を使って計算するのでしたね。
やり方さえ覚えてしまえばそこまで難しいものではありませんし、何よりミスが起こりにくい方法ですので、ご自身の解き方に取り入れてみてくださいね。
はい、というわけで、今回は部品表の読み取り方をテーマに解説をしてみました。
意外と問題を解いてみるとうっかりミスをしやすい論点です。
1年に1回の本試験では、うっかりミスが命取りになる場合もありますので、確実に正答できるような解き方を身に付けていただければと思います。
この動画をご覧の皆さんは、ぜひ得意論点にしてくださいね。