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どうもたかぴーです!
破壊的イノベーションはクリステンセン著『イノベーションのジレンマ』で初めて紹介されました。
その内容はイノベーション論の常識を覆す、学問的にも革新的な理論で、当時は感動すら覚えた記憶があります。
しかし、この本は難解で、一読してもなかなか内容を理解できません。
そもそも破壊的イノベーション・持続的イノベーションという訳が悪いという話もよく聞きます。
読者にとって何が破壊されたのかイマイチよくわからないのです。
そこで今回は、破壊的イノベーション・持続的イノベーションの意味・違いをできるだけわかりやすく解説したいと思います。
クリステンセンが『イノベーションのジレンマ』で結局何が言いたいのか?
これらは「イノベーションのジレンマ」という本で初めて紹介されたんだ。
私も一度読んでみたのですが、難しくて途中で諦めてしまいました。
ところで、そもそも『イノベーションのジレンマ」のテーマってなんだかわかる?
破壊的イノベーションはあくまで筆者のテーマを説明する上で用いられた用語のひとつなんだ。
私が言うのもなんですが、テーマは意外とありきたりなんですね。
『イノベーションのジレンマ』のテーマは「大企業の没落の理由」
破壊的イノベーション・持続的イノベーションが紹介された著書『イノベーションのジレンマ』にはテーマがあります。
それは「なぜトップ企業が、突如としてイノベーションに失敗し、業界から撤退してしまうのか」というものです。
簡単に答えが出せない、難しいテーマです。
卒業論文レベルではこのようなテーマは避けるべきですね。
なぜならこれほどにまで壮大なテーマは、一般論しか語れず、結局中身のないものになりがちだからです。
しかし、クリステンセンはこの壮大なテーマに対して、誰もが納得する答えを用意しました。
破壊的イノベーションと持続的イノベーションはその説明に使われたのです。
持続的イノベーションとは
まずは持続的イノベーションの意味を説明していくよ。
持続的イノベーションとは現在市場で求められている価値を向上させるタイプのイノベーション(技術革新)を言うんだ。
現在市場で求められる価値ってなんですか!?
そもそも価値についてだけど、価値って聞いて何が思い浮かぶ?
例えば野球選手のサイン色紙とかすごく価値がありますよね!
でも経済・経営学で言う「価値」は「モノの特徴」と平たく捉えてもらえるといいかもしれない。
性能がいいとか、機能がたくさんあるとかですか?
つまり現在市場で求められている価値は今みんなが求めているモノの特徴と言い換えることができるんだ。
でも具体的にはどういうことですか?
いきなり質問だけど、デジタルカメラに求められる価値ってなんだと思う?
そりゃやっぱりキレイに映るかどうかじゃないですかね!
もう一つ付け加えると、「値段」もかな。安ければ安い方が嬉しいでしょ?
これが持続的イノベーションというわけだね。
筆者は破壊的イノベーションと区別する為に、あえてこの名称を付けたんだ。
持続的イノベーションは顧客満足度を向上させる
破壊的イノベーションとは現在市場で求められている価値を向上させるタイプのイノベーション(技術革新)です。
現在市場で求められている価値の向上の具体例は
・デジタルカメラであれば高画質化
・自動車であれば燃費向上
・ステレオであれば高音質化
等が挙げられます。
もちろん、ひとつの製品について求められる価値は様々ですが、ここでは代表的なものを挙げています。
これらの価値基準は利用者が求めている価値であるため、価値の向上に成功した企業はそれだけ多くの市場シェアを獲得できます。
また、大手企業はこの持続的イノベーションを行うのに長けていると言われています。
大企業は、顧客のニーズに合わせた技術革新に成功してきたからこそ、企業として成功してきたのです。
破壊的イノベーションとは
持続的イノベーションはお客さんが求めている製品を技術革新で実現していくんだ。
私のイメージしているイノベーションと同じでした。
これに対して破壊的イノベーションはどう違うのでしょうか?
破壊的イノベーションは現在市場から求められている価値を低下させ、別の価値を向上させるタイプのイノベーションなんだ。
例えばデジタルカメラだと画質を落としちゃうってことですよね。
それって売れないと思うのですが…。
でも大切なのは別の価値を向上させている点なんだ。
例えば、デジタルカメラにとって初期の頃の携帯電話ってどうだったかな?
確かに昔のケータイってカメラは撮れたらそれで良いというレベルでしたよね!
でも携帯電話はデジタルカメラにない機能がたくさんあるよね。
電話機能とかメール機能とか、インターネットに接続もできてしまう。
カメラ機能はただの”おまけ”程度にしか考えていなかった人も多かったのではないでしょうか。
携帯電話は画質という価値は低下させたけど、高機能という別の価値を持った製品として売れていった商品だよね。
確かに言われてみたらそういう見方もできますね。
破壊的イノベーションは顧客満足度を低下させる
破壊的イノベーションは現在市場から求められている価値を低下させ、別の価値を向上させるタイプのイノベーション(技術革新)です。
具体的な例は次の通りとなります。
・デジタルカメラにとっての携帯電話
画質という価値を低下させ、高機能という別の価値を向上させた
・ガソリン自動車にとっての電気自動車
燃費という価値を低下させ、環境にやさしいという別の価値を向上させた
・ステレオにとってのイヤホン
音質という価値を低下させ、手軽さという別の価値を向上させた
破壊的イノベーションを考える際は、このように既存の製品を基準として、他の製品を比較していきます。
破壊的イノベーションと言われる製品は、現在市場で求められている重要な価値を低下させているので、既存の市場では受け入れられません。
従って、新しい市場を作り上げ、時として全くの別製品として売れていくという特徴があります。
例えばデジタルカメラと携帯電話は全く別の製品ですよね。
また、電気自動車やイヤホンなどは、同じジャンルの製品でも、対象にしているユーザーや用途が違います。
これは既存製品とは別の価値を向上させているために起こる現象なのです。
まとめ
ここで持続的イノベーションと破壊的イノベーションの違いについてまとめてみましょう。
・持続的イノベーション
現在市場で求められている価値を向上させるタイプのイノベーション
・破壊的イノベーション
現在市場で求められている価値を低下させ、別の価値を向上させるタイプのイノベーション
ポイントは顧客(利用者)から見て、価値が向上しているかどうかです。
例えばパソコンは性能が上がれば上がるほど嬉しいですよね。
これは持続的イノベーションだと言えます。
対して破壊的イノベーションでは、パソコンの性能を下げてしまうのです。
これでは利用者は喜びません(下手すると怒ります)。
しかし、性能とは別の価値を向上させるのが破壊的イノベーションの特徴なのです。
ちなみに、何が持続的で、何が破壊的かというと、顧客の価値を指しています。
顧客の価値基準を持続的に達成していくのが持続的イノベーション
顧客の価値基準を破壊するのが破壊的イノベーション
なのです。
さて、クリステンセンは『イノベーションのジレンマ』の中で「破壊的イノベーションが起こると、既存市場の大手企業は撤退に追い込まれる」と説いています。
その理由はいったいどうしてでしょうか。
それは次回に説明していきたいと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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