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実務補習とは?実施スケジュールや診断内容をたかぴーの実務補習体験記もとに紹介します!/中小企業診断士

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今回は、中小企業診断士への登録に必要な実務補習について説明していきたいと思います

僕自身、2023年7月に実務補修を受けましたので、改めて実務補習のスケジュールや内容、僕の感想などをお伝えできればと思います。

「実務補習は必ず1回はやっておけ」とよく言われますが、その理由は実際に受けることで身に染みてわかります。 是非、この記事をご覧の皆さんにも体験いただきたいですね。

YouTube動画でも解説中!

中小企業診断士への登録までの流れ

改めて中小企業診断士の登録までの流れを説明します。

診断士志願者の全員が受けるのが、一次試験ですね。一次試験に合格した方は二次試験へと進みます。

二次試験を合格すれば、そのまま診断士に登録できるかというと、そうではなくて、15日間の実務補習か実務従事を行う必要があるとされています。

実務補習は診断協会側が主催しているもので、実務従事はそれ以外の診断業務全般を指しますね。
実務従事は診断士登録後でも好きなだけ実施することはできますが、実務補習だけは診断士登録前にしか受けることができません

二次試験合格後3年以内に15日間の実務経験を証明した人が中小企業診断士に登録できるというわけですね。

ちなみに、二次試験を受けずに養成課程に進めば、そのまま診断士に登録することもできるのですが、ここでは詳細を割愛したいと思います。

今回は、実務補習に焦点を当てて説明していきたいと思います。

実務補習の開催スケジュール

まずは実務補習の開催スケジュールを簡単にご紹介したいと思います。

実務補習開催スケジュール

2022年度は、1/12に二次筆記試験の合格発表がありました。
そして、なんとその翌日1/13には実務補習の申込受付が始まります。もちろん口述試験が控えているので、この時点では合格が決まったわけではありません。

ですが、この実務補習の申し込みは受け付け開始から30分も経たないうちに枠が全て奪ってしまうほどの競争率の高さです。
ちなみに僕はこの申し込み戦争に負けてしまったので、2月の実務補習を受けることができませんでした。

その後、1/22に二次口述試験があって、その約1週間後に合格発表があります。
これで晴れて診断士試験に合格となるわけですね。

2月コースに申し込んだ方は、合格発表の2日後には実務補習が始まると言う流れなので、かなり筆記試験の合格発表からは忙しくなります。

早く診断士としての登録をしたいという方は、この2月コースに申し込みたいところですが、意外と本業との兼ね合いを加味しながらゆっくりと登録する方が多いみたいですね。
実際、今回僕が一緒になった実務補習生のうち半数くらいは2021年度合格者の方々でした。

2月コース終了後は、しばらく実務補修の開催がなくて、7月・8月・9月に夏の実務補習が開催されます。

例年、この2月と夏の3ヶ月間しか実務補習は開催されないスケジュールみたいですね。

ちなみに、これは2023年のスケジュールですので、ご自身が合格された際には改めて日程を確認いただければと思います。

実務補習での報告内容イメージ

ここで、診断先企業への報告内容イメージをご紹介したいと思います。

実務補習で行われる総合コンサルティングでは、経営戦略、マーケティング、財務、人事、運営管理、ITという6つの観点から現状分析、課題定義、そして助言を行います。

診断内容イメージ

この6つの観点は診断先の業種によって多少違いがあるようですが、おおむねこの分類が多いみたいですね。
まさに、2次筆記試験で行った内容を、そのまま現実の企業に対して実施するようなイメージです。

例えば、診断先の社長へのヒアリングを通して、人手不足が起こっていて、課題が営業担当者の採用だとしたら、これまで実施してこなかったリファラル採用をやってみましょう、というような助言を行ないます。

一つの観点で複数の課題を抽出して、それに対する助言を行いますので、報告書としてはかなり膨大となります。

具体的には、1人15ページ、全体で90ページのWordによる報告書を作成します。

もう少し要点を絞った方が分かりやすいとは思いますが、このページ数は診断協会に指定されるので、仕方ないですね。

とはいえ、これまで一次試験・二次試験で学んだ知識をフル活用しますので、勉強した内容が役立つことが実感できる体験になると思います。

5日間コースの実務補習日程

ここからは僕が受けた5日間コースの具体的な日程を確認していきたいと思います。

5日間コース実務補習日程

まず実務補習開始の3日~5日間ほど前に指導員の先生から診断先企業の情報が共有されます。
診断先企業の企業名や、場合によっては財務諸表等が送られてきますので、この段階で診断先の企業の情報を集めたり、業界情報を収集して、どのようなところに課題がありそうか、事前に仮説立てしておきます。

このタイミングで先生から、1日目までの宿題が出されることがあるようですが、僕の場合はそういったものはなく、メンバー同士のメールによる自己紹介と、担当決めだけ行いました。

ただ、後になって大変な思いをしないためにも、ある程度情報収集しておいた方が良いかと思います。

1日目
都内にある貸会議室に集まって、診断先企業に質問する内容をすり合わせて、そのまま診断先企業のインタビューに向かいます。
このインタビューでは、社長の思いや企業の強み、現在抱えている課題などをヒアリングします。
このヒアリングの出来が、この後の報告書の品質を決めるので、非常に重要です。

2日目
翌日の2日目には、チームメンバー同士で診断内容や助言内容の方向性を議論します。
各担当ごとに、報告書でどんな内容を書けばよいかをイメージできると理想的です。

自習期間
2日目終了後の約1週間、自習期間が設けられるのですが、ここでは自身の担当パートの報告書をWordで作成します。
こういった作業時間は実務補習の日数にカウントされないのがツラいところですね。
ここで本業が忙しいことを理由に自分のパートが終わってないと、周りに人に大変な迷惑をかけてしまうので、多少無理してでもやり切る必要があります。

3日目
実務補習3日目は各自が作った担当パートを持ち寄って、報告内容のすり合わせを行ないます。
ひどい指導員の先生に当たると、この段階で報告書の内容がなってないとして、ほぼ全て書き直しを命じられることがあるみたいです。

そこまではないにしても、ロジックが通ってない部分の修正や追記すべき項目をメンバーや指導員の先生から受けますので、この日のうちに修正してきます。

4日目
4日目には報告書の仕上げとして、各メンバーが作成した報告書一つのWordファイルにまとめます。いわゆるマージ作業といわれるものですね。
単純作業と言えばそうなのですが、書式や体裁を合わて統一する必要があるので、地味に時間がかかる作業となります。
マージ作業が終わったら、約90ページの報告書を印刷して、診断先や診断士協会に提出する原本を作成します。

5日目
最後5日目は各自プレゼン練習をしてから、診断先に報告するという流れになりますね。
報告が終わってから、打ち上げということでメンバーや指導員の先生と飲みに行くことが多いようです。

以上のように、実務補習は5日間コースと言いながら、約2週間ほぼ休みなしで稼働することになります

ちなみに15日間コースの場合は、この5日間コースとほぼ同じ日程を、3周することになりますので、実質約45日間はほぼ休みなしで稼働することになると言われていますね。

企業訪問する日は平日で有休を取得する必要があるので、15日間コースに申し込む際は、かなりの覚悟が必要となりますので、申込は慎重に検討していただければと思います。

実務補習のメリット・デメリット

改めて、実務補習のメリット・デメリットをまとめてみましょう。

実務補習のメリット・デメリット

メリット

最大のメリットは、診断業務が初めての人でも、業務の流れを一通りわかるということではないでしょうか。
これが分かってないと診断士になった後も苦労するので、実務補習は1回は受けた方がよいと言われています。

2つ目は指導員の先生から診断士業界について色々と聞けることですね。
どの協会に所属するとよいか、副業として活動するのはどれくらい大変かなど、日ごろから疑問に思っていることを色々と聞かせてもらい、とても参考になりました。

3つ目は補習生同士で繋がれるということですね。
補習中には指導員の先生や補習生と一緒にランチにも行きますので、プライベートのことや本業の話など、様々な会話ができますし、診断先について議論を交わしたりしますので、思った以上に仲良くなれます。
今後も定期的に連絡を取り合う同期になりますので、とても貴重な繋がりになると思います。

こういったことを通じて、実務補習を終えた頃には、だいぶ診断士として活動イメージが持てるようになると思います。

デメリット

続いて、デメリットですね。

一番はやはり約2週休みなしで稼働することでしょう。
もちろん必要最低限のタスクさえこなせば良いというスタンスなら、ある程度の余裕は出来ると思いますが、せっかく約6万円の受講料を支払うのですから、真剣にやった方が絶対に良いと思います。
ですが、結果としてほぼ休みが無くなるのは覚悟した方がよいかもしれませんね。
なお、民間が開催している実務従事はここまでハードワークではないと聞いています。

ここからはデメリットというよりは単純にツラい部分ですが、短期間で15ページくらいのWord報告書を作成する必要があるので、普段から図表・文章作成してないと結構しんどいです。

それから担当パートに関しては基本的に誰も助けてくれないので、手取り足取り教えてもらおうというスタンスだと、逆に周りのメンバーに迷惑をかけてしまうかもしれません。
学生や新卒社会人の方は、この点は要注意かもしれませんね。

もちろん指導員の先生も周りのメンバーも相談には乗ってくれると思いますので、ヤバいと思ったら早めにアラートを鳴らすようにしましょう。

以上のように、舐めてかかると大変なことになってしまいますので、自信がない人ほど事前準備をしておいた方が良いですね。
Wordの使い方を勉強する、診断士用の書籍を読むなど、意外とできることは多くあります。

たかぴーの実務補習の感想

最後に、私たかぴーが実際に実務補習を受けてみた感想を簡単にお伝えできればと思います。

まず、僕の診断先はIT企業で、僕自身の担当は経営戦略でした。
何をやっている企業なのかイメージがイメージが付きにくい上に、経営戦略は全体を俯瞰で診る必要があるので、難しさもあり、その分やりがいもありましたね。

30代は僕一人だけでチーム最年少でした。周りのチームを見渡しても、やはり40~50代が多い印象でしたね。

たかぴーの実務補習

感想としては、やはり診断士に合格するだけあって、皆さん優秀で、会話するだけでも刺激的でした。
社外の人たちと人脈を築けるというだけでも、診断士に合格する価値は十分にあると思えるほどですね。

それから、実務補習はいい意味で責任感なしで診断業務ができる大変貴重な機会です。
お金を貰って行う経営診断ではクライアントからの結果が求められますが、実務補習においてはそうではありません。

リアルな企業に対して、基本的に自分の好き放題に経営コンサルができるというのは、単純に楽しい経験となりましたね。

とはいえ、先ほど説明した通り、ヘビーな2週間となりますので、これをあと2回やって15日分のポイントを貯めるのは相当しんどいなと思いました。

実務補習の同じメンバーは、1年以上かけて3回の補習を受けていたのですが、その気持ちがよく分かりますね。

ですので、9月コースにも申し込んでいたのですが、こちらはキャンセルして、残りの10日分は知り合いの社長に頼んで診断業務をやらせてもらうことにしました。

実務補習ではなく、いわゆる実務従事でポイント稼ごうというわけですね。
幸いにも、知り合いの社長からOKがもらえましたので、年内には診断士の登録まで進めることができそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は実務補習の内容について、ご紹介しました。

実務補習は最低でも1回は受けた方が良いと言われています。
お金もかかりますし、内容も大変ではありますが、普段生活する中では絶対に経験できないようなことができますし、ご自身の知識・スキル面だけでなく、人脈面でもプラスになることは間違いないので、是非頑張って診断士試験に合格して、実務補習を楽しんでいただければと思います。

それでは今回の解説記事はここまでとしたいと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
それではまた次回の解説記事でお会いしましょう。勉強頑張ってください!応援しています。さようなら!!

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