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流動数分析のやり方・グラフの読み取り方を解説!/運営管理/中小企業診断士試験対策

流動数分析_アイキャッチ
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はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです!

今回は流動数分析について解説していきたいと思います。

この論点では、流動数グラフを読み取ることが求められますが、受入曲線と払出曲線の縦軸の差が在庫量、横軸の差が在庫時間 (停滞時間) だということを覚えておけば難しいものではありません。

グラフの読み取り方さえわかれば簡単な論点ですので、一緒に内容を確認していきましょう。

YouTube動画でも解説中!

流動数分析とは?

流動数分析は、仕掛品の在庫量・停滞時間を把握して、工場などでの進捗管理を行う分析のことをいいます。

仕掛品というのが、あまりイメージがつかない方のために、お弁当の製造工場を例に説明したいと思います。

流動数分析とは?

このお弁当の製造工場では、最初に食材をカットして、その後の工程で調理を行います。
調理済みの製品について、お弁当に詰めて出荷という流れで製品作りをしています。

ここで調理工程に着目してみると、工程1からカット済みの食材を受け取ります。
調理工程については、このカット済みの食材が仕掛品にあたるわけですね。
仕掛品はまだ完成品になっていない中間品だという理解をしていただければと思います。

それから、ここで用語説明です。
工程1からカット済みの食材を受け取ることを「受入」、調理済みの食材を工程3に引き渡すことを「払出」といいます。
この後の流動数分析のグラフでこの用語を使えますので、覚えておいてください。

流動数グラフの読み取り方

それでは今回のメインである流動数グラフの読み取り方についてご説明します。

先ほどの調理工程を例に考えていきましょう。
横軸に時間、縦軸に累積個数を取ったグラフを用意しました。

流動数グラフの読み取り方

赤色で累積の受入曲線と、青色で払出曲線が描かれています。

受入曲線が工程1から受け取ったカット済みの食材の個数、払出曲線が工程3へ引き渡す調理済みの食材の個数を表すわけですね。

いずれも累積数を表していますので、例えば1時間経過した時点での受け入れ数は10個、2時間後はさらに5個増えて、15個というようにグラフを読み取ります。

このグラフから読み取るポイントは2つあります。

一つは在庫量、もう一つは在庫時間です。

例えば3時間後の在庫量を、このグラフから読み取ってみましょう。
3時間後の累積の受入数は30個なので、在庫量は30個となるわけではありません。

3時間後の払出数を見てみると、10個となっていますので、この時点で10個は工程3に引き渡されていることが分かります。

ですので、受入数の30個と払出数の10個差分を取って、仕掛品の在庫数は20個であると、このグラフから読むことができます。

流動数グラフ_在庫量と在庫時間の読み取り方

続いて在庫時間についても考えていきましょう。

例えば30個目に受け取ったカット済み食材は、3時間後に受け取っていることがわかります。

また、この30個目の食材が払い出されたのは5時間後であると読み取れます。

この5時間と3時間の差分を取って、実際に仕掛品として在庫されていた時間は2時間だと読み取れるわけですね。

このように流動数グラフは、受入曲線と払出曲線の縦の差分を取ることで在庫量を表して、横の差分を取ることで在庫時間を表していると読み取ることができます。

流動数グラフの対策としては、これさえ覚えておけばバッチリです。

過去問を解いてみよう (平成27年度 第17問)

それではここまでの内容を過去問を解いて復習してみましょう。

先入先出法で製品の入出庫を行う倉庫において、始業(8時)から終業(17時)までの期間で流動数分析を実施した。下図は、この観測期間内での入出庫の結果を流動数グラフにまとめたものである。この流動数グラフの分析結果として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

中小企業診断士_運営管理_平成27年度第17問グラフ

ア 最大在庫量は、6個である。

イ 終業直後の倉庫内在庫量は、3個である。

ウ 製品の平均在庫量は、3(個/時間)である。

エ 製品の平均滞留時間は、4(時間/個)である。

中小企業診断士試験 運営管理 平成27年度 第17問


グラフの実線で表されているのが入庫数、点線が出庫数ですので、これが先ほどの受入曲線と払出曲線にあたります。

それでは選択肢を一つずつ検討していきましょう。

選択肢ア
最大在庫量は6個であるということなので、入庫があった時点での在庫量をそれぞれ数えていく必要がありますね。

8時から9時の間は出庫数がありませんので、在庫量は3個です。
11時は入庫が1個あったのですが、出庫が1個発生していますので、この差分を取って在庫量は3個と読み取れますね。
同じように12時は4個、13時は入庫数が1個増えて5個になっています。

その後15時は2個、16時は3個と読み取れますので、最も在庫量が多いのは6個ではなく、5個となります。
ですので、選択肢アは誤りだということがわかりますね。

選択肢イ
就業直後の倉庫内在庫量は3個であるということなのですが、問題文から終業時刻は17時だと読み取れます。

実際に17時を見てみますと、入庫数は10個だと読み取れますね。

一方、出庫数は17時を見てみると7個というようにも見えるのですが、設問で聞かれているのは終業直後ですので、17時に3個出庫して、累積が10個に達していますので、就業直後の在庫量は0個であるということが分かります。

ですので、選択肢イは在庫量は3個ではないので誤りです。

選択肢ウ
製品の平均在庫量は3個であるということなのですが、平均を計算するには就業時間の8時から17時まで全ての在庫数を数えていく必要がありますね。

8時は3個、9時も3個、10時に出庫が1個ありますので、2個というように一個ずつ数えていく必要があります。

あとはこれを平均化するでだけです。分子は各時間の個数在庫数の合計値、分母は就業時間の9時間で割り返すことで、平均化できます。

これを計算しますと、平均在庫量は3個となりましたので、選択肢ウが正解であるということがわかりますね。

選択肢エ
平均滞留時間について聞かれていますので、今度は入庫数と出庫数について、横軸の差分で見ていく必要がありますね。

1個目の滞留時間は8時に入庫があって、10時に出庫があるので2時間。
2個目の滞留時間は8時に入庫があって、12時に出庫があるので4時間。
3個目は少し読み取りにくいのですが、8時に入庫があって14時に出庫があるので、6時間となります。

これ以降も繰り返して数えて計算します。
これを計算すると2.7時間ですので、平均滞留時間は4時間とする選択肢エは誤りであるということがわかります。

この過去問は流動数グラフをしっかりと読み取ることができるかを試す非常に良い問題だと思います。
流動数分析について復習されたしたい方は、繰り返しこの問題を解くと良いでしょう。

まとめ

それでは最後にまとめです。

流動性分析は、仕掛品の在庫量や停滞時間を把握して進捗管理をするための分析です。

流動数グラフ_在庫量と在庫時間の読み取り方

具体的にはこのようなグラフで受入数と払出数を表して、受入曲線と払出曲線の縦の差分が在庫量、横の差分が在庫時間を表しているのでした。

これさえ覚えておけば、流動数分析の論点は怖くないかと思います。

それでは今回の解説記事はここまでとしたいと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
それではまた次回の解説記事でお会いしましょう。勉強頑張ってください!応援しています。さようなら!!

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