「今日の会議はブレスト形式で」
会議の場で司会者にこんなセリフを言われたことはありませんか?
ブレストと聞いて、ブレス=息を連想し、「息を吐くように話せ」という意味に捉えたのは僕だけではないはず。
まぁそれでも大きく意味は逸れていませんが、いずれにしてもカタカナのビジネス用語は意味の分からないことが多く、非常に厄介ですよね。
他の人たちがみんな意味がわかっている中、改めて意味を聞くのはなんだか気が引けてしまいますし…。
そこで今回はブレストの意味や使い方などについてまとめてみました。
ブレストは会議の質を高めるのに大切な手法のひとつです。
ぜひ今回で、ブレストマスターになってくださいね!
1.ブレストの意味ってなに?
ブレストとは「ブレーンストーミング」の略で、会議形式のひとつです。
複数の人が、自由に意見を出し合うことで、新しいアイディアや考え方、問題点などを見つけることを目的としています。
たとえば、今日の晩ごはんは何にする?というテーマに対して、参加者が自由に思いついたものを挙げていきます。
カレー、ラーメン、焼きそば、麻婆豆腐、ハンバーグ…
このように、様々な料理名が飛び出すことでしょう。
そして、もう料理名がだれからも出なくなるまで会議を続けるのです。
ブレストは、アイディアを最後の最後まで出しきるための会議形式といえるでしょう。
2.ブレストの由来とは?
先に述べたように、ブレストは「ブレーンストーミング」の略です。
これはアメリカのアレックス・F・オズボーンが発明した発想方法のひとつとされています。
ブレーンストーミングは英語で「Brainstorming」と書きます。
Brainは「脳」、stormは「嵐」を意味しますね。
そして、名詞の「brainstorm」には「精神錯乱、ひらめき」という意味があるようですね。
脳を嵐のようにぐるぐると回転させることで、新しい閃きを生み出すという事でしょうか。
なんだか必死にアイディアを生み出そうとしている姿が想像されますね。
3.絶対に守るべきブレストの4原則
ブレストには4つの原則があるとされています。
- 結論の禁止
- 自由な発想
- 質より量
- 結合、便乗、連想の許可
それでは、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
結論の禁止
ブレストの場では結論を出そうとする発言は原則禁止です。
たとえば今日の晩ごはんのメニューを決めるブレストの場で、自分がカレーを食べたいからといって、カレーにするべきだという主張を繰り返してはいけません。
確かに会議の最終的な目的は、結論をだすことではありますが、ブレストはあくまでアイディアを出しきることを目的としているのです。
検討すべき事項を全てだしきった後で、情報を整理し、結論をだすのがブレスト会議の正しい手順なのです。
決して結論を急いではいけません。
自由な発想
ブレストでは極力固定観念にとらわれないように努めましょう。
なんて萎縮する必要はありません。また、だれかの発言に対して批判したり否定するようなことのないように注意しましょう。
一見すると意味のないようなアイディアにこそ、新しさが隠されていることがあるのです。
質より量
ブレストの場では「正しいこと」「意味のあること」を言おうとする必要はありません。
肩の力を抜いて、とにかく思いついたことを出来るだけ多く発言するようにしましょう。
「何を発言したか」ではなく、「どれだけ発言したか」が会議参加者への評価基準なのです。
結合、便乗、連想の許可
ブレストでは他の人の意見に便乗したり、人の意見から連想して発言してもよいのです。
たとえば今日の晩ごはんをメニューに関するブレストで、誰かがカレーと発言したときに、キーマカレーやハヤシライス、インドカレーやビーフシチューなどの関連あるメニューを出すのです。
会議の形式によっては、人の意見に便乗することをよしとしない場合もありますが、ブレストはとにかくアイディアの数を多く集めることが最大の目的です。
どんどん便乗、連想、結合を行い、意見を多くだすように心がけましょう。
4.ブレストのやり方
ブレストの基本手順は、大きく以下の4つからなります。
- テーマの設定
- メンバーの選定
- アイデア出しの実施
- アイデアの整理
狭い意味でのブレストは3番目のステップのことを言います。このステップで、「ブレストの4原則」を用いてアイデア出しをするわけです。しかし、実際にはその前の準備としてテーマの設定とメンバーの選定が必要ですし、出し尽くしたアイディアを整理する必要があるわけです。
最後のアイディアの整理について少し触れておきます。
ブレストを上手く行うと、様々なアイディアが無数に飛び出してくることでしょう。
たとえば今日の晩ごはんのテーマにしていた場合、出てきたメニューを麺類、中華、カレー類、洋食などに分類できるはずです。
このようにカテゴリーごとにアイディアを分類し、整理することで、次のステップの結論出しに備えるのです。
5.ブレストの隠れた効果
ブレストは様々なアイディアを出すことが目的なので、新しい発想を得られるという効果があります。
しかし、それ以外にも隠された効果があるのです。
それはチームワークの強化です。
ブレストは他人の否定ではなく、肯定を前提にした会議形式です。
会議の中で、今まで遠慮がちで発言できなかった人の考えを聞くことが出来ますし、その人の意外な内面を知ることもできるでしょう。
こうした発見は、会議だけではなく、普段の仕事や生活に役立ちますよね。
ブレストは会議参加者の考え方・内面を知るきっかけとなり、結果的にチームワークが強化されるという隠れた効果があるのです。
6.ブレストが失敗する理由
ブレスト会議がうまくいかないのには、どのような理由があるのでしょうか?
基本的に、メンバー全員が「ブレストの4原則」を守れない会議であれば、必ず失敗してしまうことでしょう。
つまり、結論を急いだり、他人の意見を否定したりすると、アイディアの数が限定され、ありきたりな会議で終わってしまいます。
また、その他の失敗理由には「テーマが設定が悪い」「メンバーの相性が悪い」などがあります。
たとえば、テーマが具体的過ぎて、幅の広いアイディアが出せなかったり、逆に抽象的で何を言っていいのかわからないテーマが「悪いテーマ」になります。
ブレスト会議を行う前に、どういった問題提起をするかは、慎重に考えるようにしましょう。
また、いくら自由な発言が求められるといっても、メンバー間の仲が悪かったり、力関係が大きかったりすると、なかなか意見が出てこないでしょう。
会議を行う前に、参加させるメンバーもしっかりと吟味するべきなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ブレストでは自由な発想から、新しいアイディアが飛び出すことが期待される会議形式のひとつです。
多くの人間がそれぞれ頭をフル回転させることで、一人で考え込むよりも、早く、そして素晴らしい考えが生まれることでしょう。
また、ブレストでは4原則を守って会議を行うことが何よりも大切です。
この4原則を一人でも破る人がいると、たちまち会議は意味をなさなくなってしまうでしょう。
会議を始める前に、ブレストの4原則を確認するのもいいかもしれませんね。
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ではっ!