VRIO分析は企業の競争優位性をはかる時に用いられる分析フレームワークのひとつです。 VRIO分析を使えば、分析する企業が将来にわたって競争優位が保てるかを判断することが可能とされています。 確かに、VRIO分析では 「自社の競争のポジションが長期的に保証されているか?」 「ライバル企業を打ちのめすにはどうすればよいのか?」 という問いに答えるために、重要なヒントを与えてくれるかもしれません。 しかし、VRIO分析には3つの問題点があることを忘れてはいけません。 今回紹介するVIRIO分析の問題点を置き去りにした分析は危険だと考えます。
1.そもそもVRIO分析ってなに?
VRIO分析とは、企業の資源や能力に基づいた競争優位の持続性を考える分析フレームワークです。 VRIOとは- 経済価値(Value)
- 希少性(Rarity)
- 模倣可能性(Imitability)
- 組織(Organization)
- 特定の資源が経済的価値の源泉となり、
- 希少であり、
- 模倣が困難であり、
- 資源を活用できるような組織体制が整っている
VRIO分析:4要因の質問
- 経済価値に関する問い
- 希少性に関する問い
- 模倣可能性に関する問い
- 組織に関する問い
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2.VRIO分析の問題点ってなに?
VRIO分析には3つの問題点・注意点があります。 その問題点とは- 何が社会的価値にあたるのかわからない
- 顧客の価値基準は変化する
- ターゲットが異なる企業では比較検討できない
2-1.問題点①何が社会的価値にあたるかわからない
顧客にとって、何が価値にあたるのかが、本当のところわからない場合が多いのです。 たとえば、iPhoneは日本で最も人気のあるスマートフォンの地位を確立しましたが、iPhoneとそれを開発するアップル社の価値とはなんなのでしょうか? 一般的に、アップル社はブランド力が高いとされいています。アップル製品を持っていると、それだけでクール、カッコイイというイメージがあるのです。 しかし、本当にそのような理由でiPhoneが選ばれているのでしょうか? もっと掘り下げて考えてみると、 「iPhoneで使えるアプリが好き」 「iPhoneはボタン一つしかなくて使いやすい」 「みんなが買ってるからなんとなく買った」 このような理由でiPhoneの購入を決定した人も多いはずです。 それではこれらの理由のうち、iPhoneの真の価値にあたるのは、どの理由でしょうか? そうです。答えはだれにもわからないはずです。 たしかに、iPhoneの価値と考えられるもの全てに対してVRIO分析を試みるのもよいかもしれません。 しかし、それでも 「なぜiPoneが日本のスマートフォンシェアNo.1の地位を獲得しているのか」 という問いに答えることも、No.1の座が持続可能なのかに答えることもできないでしょう。2-2.問題点②顧客の価値基準は変化する
2つ目の問題点は、顧客の価値基準は時間経過とともに変化してしまうという点です。 具体的な事例で考えてみましょう。 かつてアメリカの自動車メーカーであるフォードは「フォード式生産方式」とよばれる生産方法で、単一の自動車を大量に低価格で生産することに成功し、瞬く間にアメリカ全土に自社の自動車を普及させました。 フォードの社会的価値は自動車を低価格で製造する技術力であり、それは希少性があり、模倣困難であり、組織的にノウハウが蓄積されていました。 VRIO分析の理論では、フォードは長期に不動の地位を築けるはずです。 しかし、この地位を日本の自動車メーカーであるトヨタが脅かしました。トヨタは「トヨタ式生産方式」とよばれる生産方法で、多品種の自動車を少量生産することが可能にしたのです。フォードが「少品種大量生産」だったのに対し、トヨタは「多品種少量生産」で勝負をしたのです。 結果として、消費者はトヨタ自動車を好んで購入するようになりました。 だれもが持っているフォード車より、自分好みのデザインや乗り心地を追求したトヨタ車が人気を集めたのです。 まさに顧客のニーズが「低価格」から「自己実現」へと変化した瞬間ですね。 たしかにフォードの生産方式は社会的価値があり、模倣困難なものでした。 しかし、VRIO分析で得られる競争優位の持続性が必ずしも、業界の地位を保証するものではないのです。 それは顧客の価値基準は時間経過とともに変化してしまうためです。2-3.問題点③ターゲットが異なる企業では比較検討できない
最後の問題点は、ターゲットが異なる企業では比較検討できないという点です。 たとえば、ファッション業界では、顧客の価値基準は大きくわけて2つにわかれます。- とにかくカッコイイ洋服がほしい
- 安ければデザインなんて二の次
まとめ
いかがでしたでしょうか? VRIO分析は競争優位が持続可能かを判断するために有効なフレームワークのひとつです。 しかしこの分析手法は- 顧客ニーズが明確であり、
- そのニーズは長期にわたって固定的で、
- ターゲットとするユーザー層が企業間で全て同一である
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