はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです!
今回は、「営業秘密」をテーマに解説していきたいと思います。
この論点は、不正競争防止法の中でも特に出題頻度が高く、かつ「覚えるべきポイント」が非常に明確です。
言い換えれば、「知っているだけで確実に得点が積み上げられる、超・美味しい論点」といえます。
そこまで難しい内容でもないので、この記事一本で、営業秘密をマスターして、得点源にしていきましょう!
✓ 営業秘密の定義と特徴
✓ 特許か、秘密か
✓ 営業秘密の要件
✓ 過去問の解き方
営業秘密とは?
今回学習する営業秘密とは、企業が競争力を保つために、あえて特許などで公開せずに、秘密に管理している情報のことです。
例えば、コカ・コーラの原液のレシピがあります。これは世界で数人しか知らないと言われるほど厳重に守られていると言われていますね。
他には、長年かけて築き上げた「顧客リスト」や、最先端の「研究成果」なども営業秘密に該当します。
これらの情報が他社に盗まれたり、勝手に使われたりすると、その会社はそれまでの開発費が無駄になり、多大な損害を被ります。
また、そのような行為に罰則を設けないと、「いかに自社で開発コストを掛けずに他社の技術・ノウハウを盗むか」が競争の焦点になってしまい、健全な競争環境が築けず、社会的にも不利益が生じてしまいます。
だから「不正競争防止法」という法律で、秘密情報を守っているわけですね。


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共同発明と職務発明を整理!特許権の共有ルールと権利帰属を徹底解説
特許か、秘密か?
さて、営業秘密についてもう少し深く理解するために、自社だけの特別な製品開発に成功したケースを考えてみましょう。真っ先に思いつくのは、特許を申請して、その技術を守ってもらうことですよね。
しかし、特許権は非常に強力な権利ですが、大きな弱点がひとつあります。それは「出願から1年6ヶ月後には、出願内容が世界中に公開されてしまう」ということです。つまり、国に守ってもらう代わりに、手の内をすべて競合他社にも見せる必要があるんですね。
また、特許権には「20年」という期限があります。期限が切れたら、誰でも自由にその技術を使えるようになってしまいます。
一方で「営業秘密」はどうでしょうか。秘密として隠し通すことができれば、理論上は永遠に独占することが可能です。さきほどのコーラのレシピがそうですね。
もちろん特許権には、競合相手が自力で開発した技術であっても、その技術を使用することを差し止められるという強力な権利が与えられるというメリットもあります。それぞれの特徴をしっかりと押さえて、自社独自の情報・ノウハウを活用する方法を検討したいところですね。
今回は最低でも、特許では情報が公開されてしまうこと、営業秘密は理論上、競合他社には知られない、という対比をしっかり押さえておきましょう。


過去問データブックで1次試験は何点取れる?
令和7年の本試験で実際に検証してみました
検証結果を読む →営業秘密の要件
どんな情報でも「これは秘密だ!」と言えば法律で守ってもらえるわけではありません。営業秘密として認められ、不正競争防止法で守られるためには、次の3つの要件をすべて満たしている必要があります。
まずは秘密管理性ですね。その情報が「秘密であること」が客観的に分かる状態になっていることを言います。具体的には、書類に「マル秘」の印が押してあったり、パソコンにアクセス制限がかかっていたり、鍵付きの棚に保管されていたりすることです。
もし、誰でも自由に見られる状態なら、「会社としても秘密にする気がなかったんでしょ?」とみなされ、保護されません。
なお、企業同士で行う商談内容も秘密情報になり得ますので、実務上は口頭で聞いた話でも、取り扱いには注意するようにしましょう。

続いて有用性です。こちらは事業活動に役立つ情報であり、公序良俗に反しない情報のことです。失敗データも有用として認められるという点には注意してください。
「この方法ではうまくいかなかった」という失敗の記録があれば、他社は同じ間違いを避けることができますよね。つまり、他社にとっては試行錯誤の時間を短縮できる「価値のある情報」として見なせます。
もし試験で、「成功した情報だけが営業秘密である」というひっかけ選択肢が出てきたら、注意してください。

最後に非公知性です。こちらは、一般的に知られておらず、容易に入手できない情報です。「ググれば誰でも出てくる情報」や「業界の常識」は、当然ながら営業秘密にはなりません。

この3要件、「秘密管理性・有用性・非公知性」というセットは、言われてみれば当たり前な内容な割に、試験では繰り返し問われていますので、ぜひ呪文のように唱えて覚えていただければと思います。
最後に、不正競争防止法では、これらの要件を満たした情報を「不正に取得・使用・開示」することを禁止しています。また、たとえ正当に取得した営業秘密の情報であっても、図利加害目的で使用・開示することを禁止しています。
ここで「図利加害目的」という言葉が出てきますが、これは「自分が不正に利益を得るため、あるいは他人に損害を与えるため」という意味です。つまり、たとえ正規のルートで受け取った情報でも、それが営業秘密の情報であれば、その会社を貶める目的で情報を開示、たとえばSNSに書き込むようなことはNGだというわけですね。
以上が、営業秘密に関して覚えておきたい内容でした。
過去問を解いてみよう
不正競争防止法に規定する営業秘密に関する以下の文章の空欄A〜Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
営業秘密として保護を受けるためには、秘密管理性、( A )、( B )の3つの要件を満たさなければならない。( A )とは、当該情報が事業活動に役立つものであって、公序良俗に反する内容の情報を除いたものをいい、現に事業活動に使用されている必要はなく、失敗した実験データ等についても( A )が認められうる。( B )とは、当該情報が一般的に知られておらず、又は容易に知ることができないことをいう。また、営業秘密を保有する事業者からその営業秘密を正当に示された場合であっても、( C )目的でこれを使用又は開示する行為は不正競争に該当する。
〔解答群〕
ア A:公共性 B:非公知性 C:不正利用
イ A:有用性 B:新規性 C:図利加害
ウ A:新規性 B:非公知性 C:不正利用
エ A:有用性 B:非公知性 C:図利加害
営業秘密に関する問題ですね。空白をひとつずつ見ていきましょう。
まず空欄Aですが、「公序良俗に反する内容以外の情報」、また、「失敗した実験データにも認められる」という記述がありますね。このことから、先ほど解説した「有用性」であると判断できます。
次に空欄Bです。「一般に入手できない」という点から、これは「非公知性」ですね。
最後に空欄Cです。不正に取得する際の「目的」を問われています。これは先ほど出てきた「図利加害」が入ります。
以上から、答えは選択肢エがこの問題の正解になります。
営業秘密の3要件さえしっかりと理解していれば、たとえ図利加害目的というキーワードを知っていなくても、簡単に正解できる問題でした。この3要件の一部を、他の専門用語の要件とすり替えたり、また、他の専門用語の要件を、営業秘密の要件にしてしまうといった問題がほぼ毎年のように出題されていますので、ぜひ他の年度の問題も実際に解いてみて、理解を深めていただければと思います。
まとめ
今回は営業秘密について解説してみました。
営業秘密は、他者が自力で開発できずに、かつその情報を隠し通せれば、理論上は永遠にその技術・ノウハウを独占することが可能です。
試験対策上は、営業秘密になる3要件を押さえておくことが重要です。
余裕がある方は、有用性には失敗データも含まれることと、図利加害目的というキーワードを覚えておく程度でよろしいかと思います。

経営法務は言葉が難しくてアレルギーを持つ方が多い上に、出題範囲は多岐に渡るため、今回のように出題頻度が高く、内容もそこまで難しくない論点は、確実に得点源にしたいところです。また、実務上も、秘密情報は秘密保持契約を結んで、厳重に取り扱われるケースが多いので、他社の情報を簡単に持ち出したり、ましてはSNS上に書き込んだりしないよう、くれぐれもご注意いただければと思います。
それでは今回の記事はここまでとしたいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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