はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。今回は令和5年度の事例Ⅲの過去問解説を行いたいと思います。
事例Ⅲは慣れると得点が安定しやすい教科ですね。工場内のイメージが付きにくく、苦手意識を持たれている方もいるかもしれませんが、今回の記事を参考に、早めに解き方のコツを掴んでいただければと思います。
また、まだ令和5年度の問題を解いていない方は、ぜひご自身で解いてみてからご覧くださいね。
事例文の全体像の確認
まずは全体像を確認してみましょう。今回は食品製造業の事例でしたね。既存事業と新規事業について、戦略面・生産面に分けて内容を確認してみたいと思います。

まず既存事業は高級ホテル・高級旅館向けに販売しています。訪日外国人をはじめとした観光客の増加により、受注量が回復傾向にあるようです。
また、生産面の特徴は多品種少量の受託生産型で、料理人経験のある工場管理者と経営者がいます。工場設備は交差汚染を防ぐゾーニングと、顧客の厨房と同じレイアウトを採用しているとのことでした。
一方、新規事業については中堅食品スーパーX社向けに惣菜商品を開発中で、このために中堅食品製造業の開発経験者を採用したのでした。
X社向けにはまだ製造が開始されていませんが、最低1日2回の配送を予定しており、これには生産能力が不足しているのでしたね。大まかには、以上の整理ができると良いでしょう。
納品までのプロセスの整理
続いて、既存事業の納品までのプロセスを確認してみましょう。プロセスとしては仕様確認から営業、生産計画の立案、資材管理、製造、納品という流れをたどるようです。

仕様確認については、顧客が口頭で指示を行い、納入期間中にも仕様変更があるとのことです。仕様変更の際には工場管理者も立ち会うとのことでしたね。
営業に関しては、顧客から翌月の月間納品予定を受注し、受注情報を生産管理課に伝達するのでした。
生産計画は生産管理課が月間生産計画を作成し、生産計画に基づく日別の作業計画を課長が作成しているようでした。また、この文脈で食材・調味料の必要量をパートリーダーの経験値で見積り、商社に発注すると記載がありましたね。
資材管理に関しては入出庫の記録がされておらず、在庫は増加傾向で廃棄も生じているようです。必要な食材・調味料は前日に準備し、この時点で納品遅れが判明することもあるとのことでした。
製造に関しては、工場管理者・パートリーダーによる指導と監督が行われているようです。工場管理者のメモもありますが、整備がされていないようですね。また、生産は汎用調理器具による手作業がメインで行われているようです。
最後の納品に関しては、週初めに日別の納品数を調整し、朝食用は当日の早朝に納品、夕食用は当日14:00までに製造を行い、納品がされるとのことでした。
SWOT分析
続いてSWOT分析をしていきましょう。

経営者が元料理人で、ホテルの調理場を熟知しており、工場管理者にも料理人経験があるのでした。また、多品種少量生産で、顧客要望にも柔軟に対応が可能となっています。
交差汚染を防ぐゾーニングであったり、中堅食品製造業の経験者を採用しているというのも強みと考えられますね。
続いて弱みです。弱みは生産がほぼ全て手作業で行われ、レシピメモが整理されておらず、資材発注が勘と経験に依存しており、資材の入出庫記録がなく、在庫過多になっているようでした。また、必要な材料・調味料の準備が前日のために、納期遅れも発生していましたね。
機会としては、ホテルや旅館が特色あるメニュー開発に意欲的で、コスト低減志向のため、C社に発注をしてくれています。また、観光客も増加傾向のため、ホテル・旅館の需要が増え、C社の受注量も回復しているのでした。
最後に脅威についてはほとんど記載がなく、一時期コロナにより観光客が減少して、結果としてC社の受注量も激減したのでしたね。
以上の内容が、与件文を読み終わった段階で、頭の中で整理ができていると理想的ですね。それではここから、各設問を1問ずつ解説していきます。


