はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。今回は、令和4年度の二次筆記試験・事例Ⅲの過去問解説を行いたいと思います。
今回のC社は、鍋やトレーなどのプレス加工製品と、調理台や収納ラックなどの板金加工製品を作る金属製品製造業です。ホームセンターX社からのアウトドア用品の引き合いをどう活かすかが軸になっていて、短納期化・小ロット化・デジタル化という事例Ⅲの王道論点が5問構成で問われた年度でしたね。
工場での勤務経験がない方にとっては事例Ⅲが最もイメージしにくいと思いますが、与件文を「何が、どのような状態で、問題点とその原因は何か」と切り分けて読めるようになると、かなり安定して得点を積み上げやすい事例です。まだ問題を解いていない方は、ぜひご自身で解いてみてからお読みくださいね。
C社の事業概要
まずはC社の事業概要です。C社は1964年創業、資本金2,500万円、従業員60名の金属製品製造業で、売上の7割がアルミニウム・ステンレス製のプレス加工製品、残り3割がステンレス製の板金加工製品です。
C社はポットやトレー、鍋といったプレス加工製品と、収納ラックやワゴン、調理台といった板金加工製品を作る会社ですね。

これらの製品はホテル・旅館、外食産業で利用されており、直接的な顧客は業務用食器・什器の卸売企業2社となっています。なお、プレス加工製品は金型を使用して成形する繰返受注製品、板金加工製品は個別受注製品という違いも押さえておきたいところです。
そのような中で、C社は中価格帯のアウトドア用品の製造について新規の引き合いを受けている状況です。これらの製品は一般消費者向けで、直接的な顧客はホームセンターX社となります。
これまでとは全く異なる顧客層となりますので、引き合いを受けることで売上増加はもちろん、経営リスクの分散にもつながりそうですね。製品群を見ても、これまで培ってきた技術で十分に対応できそうです。
SWOT分析と課題の把握
そのような中で、C社のSWOT分析をしてみましょう。まずは強みです。

難易度の高い金型製作技術を持ち、設計から製造まで一貫生産体制を持っているという点がC社の強みと考えられます。金型製作技術のノウハウを蓄積してきたため、コスト低減や生産性向上に結びつく提案なども可能です。
一方、弱みについては設計課の金型製作期間が長期化することが多く、設計業務の混乱が金型製作期間全体に影響してしまうようです。また、ベテラン技能者が高齢化しており、プレス加工の生産能力に制約があります。
それから在庫量が多く、情報交換や共有が紙ベースで行われている点も弱みであると考えられます。
続いて、機会・脅威、課題の抽出です。

機会は、アウトドア商品について中国や東南アジア諸国の企業との取引に支障が生じており、さらに海外生産委託の仕入れ値の高騰が懸念されていることです。このような背景からホームセンターX社からC社に引き合いが入ったわけですね。
続いて脅威は、コロナによって観光需要が減少しています。これによって、C社製品の利用先であるホテル・旅館、飲食業界が不振に陥っていて、C社に売上減少リスクがあるわけですね。
最後の課題については、若手を養成すること、小ロット化に対応すること、アウトドア用商品の7日間納期に対応することなどが課題に挙げられると考えられます。それでは、以上の分析結果に基づいて各設問を検討していきます。


