はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。今回は、令和4年度の二次筆記試験・事例Ⅱの過去問解説を行いたいと思います。
今回のB社は、食肉卸を軸に、小売・加工・コンサルティングまで手がける企業です。この事例は第2問のコンセプトや第4問の協業先など、与件文を根拠にしながらも自分で答えをひねり出す必要がある問題が難しく、本番での立ち回りが問われた年度でしたね。
まだ令和4年度の問題を解いていないという方は、ぜひご自身で解いてみてからお読みくださいね。
B社の事業概要
まずはB社の事業概要です。B社は資本金3,000万円、従業者数45名(うちパート21名)の食肉・食肉加工品の製造販売事業者で、X県の大都市近郊に立地しています。2021年度の販売額は約9億円、事業所は本社・工場・直営小売店1店舗という構成ですね。
B社は食肉卸業のほかに、直営店での食肉小売や食肉加工、そして飲食店のメニュー提案などを行うコンサルティングも行っている会社です。

事例ⅠのA社と同じように、こちらも幅広く事業を展開していることがわかりますね。それぞれの事業で顧客も商品も異なりますので、この整理を最初にしておくと、後の設問で「どの事業の話をしているのか」を見失わずに済みます。
B社は1955年に食肉小売店として開業し、1960年代からは百貨店やスーパーへの卸売も手がけるようになりました。しかし1980年代後半以降、スーパーが大手食肉卸売業者と取引するようになり、B社からの納入量は徐々に減少していきます。
この危機感から、B社社長は1990年代に入ってすぐ、3点の事業見直しを行いました。①ホテル・旅館や飲食店という新たな取引先の開拓、②自社工場の新設による食肉加工品の製造、③取引先へのコンサルテーションです。この3点が、そのまま現在のB社の強みの源泉になっています。
ところがコロナ禍で、ホテル・旅館や飲食店を主要取引先とするB社の経営は大打撃を受けました。2020年度の売上は2019年度のおよそ半分まで落ち込んでいます。
東京オリンピック・パラリンピックのために積み増した冷凍在庫をさばくため、大手ネットショッピングモールにも出店しましたが、同じことを考えた業者が多く、B社の紹介ページは埋もれてしまいました。一方で救いとなったのが直営の食肉小売店で、巣ごもり需要の拡大で販売が急上昇しています。
なお、B社社長は高齢のため、専務を務める息子がまもなく事業を承継する予定です。アフターコロナと事業承継を見据えた自社事業の再構築が、この事例のテーマですね。
SWOT分析と課題の把握
続いてSWOT分析をしてみましょう。まずは強みです。

B社は食肉のクオリティが高く、様々な消費機会に対応できます。具体的には、贈答用に使える最高品質の食肉や、日常使いしやすいカット肉・スライス肉の提供もできます。
また、自社工場や自社ブランドを持っており、高い技術力を持つ職人による食肉加工が可能です。最後に、飲食店に対するメニュー提案力があるというのも強みとなっていますね。
続いて弱みです。弱みは自社の売上が他社の動向に左右されるということ、スーパー等への納入量が減少しているということ、そして卸売事業への売上依存度が9割と高いということですね。最後に、大手ネットショップへの出店ではB社の掲載が埋もれてしまうというのも、弱みに分類できると思います。
続いて機会・脅威の確認と、課題抽出を行いましょう。

機会は、コロナによって巣ごもり需要が拡大して、料理の楽しさに目覚めた客や、作りたての揚げ物を買い求める客が増加傾向にあります。
脅威としては、コロナ禍でホテル・旅館、飲食店が閉店しています。また、スーパーとの取引で競争が激化していますし、冷凍肉のネット販売もコロナの影響で競争が激化しているという状況です。
最後に課題を見てみると、売上が他社の動向に左右されるということに気付いた社長は、最終消費者との事業を拡大することを課題としていると読み取れました。以上の分析にもとづいて、各設問に答えていきましょう。


