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特許の登録要件を最短で整理!新規性・進歩性・例外まで/経営法務/中小企業診断士

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はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。今回は経営法務の中でも、毎年必ず出題される超重要論点である「特許の要件と出願」をテーマに解説していきたいと思います。

経営法務は独特な日本語表現で、内容を理解するのも選択肢を選ぶのも難しいですが、特許法は、その仕組みと数字さえ整理してしまえば、本試験でも得点がしやすい論点です。

今回は、そんな特許法の基本的な内容について、難しい日本語表現なしで解説しますので、ぜひこの記事を最後まで読んでいただければと思います。

この記事でわかること

✓ 特許法の定義と特徴
✓ 特許の登録要件
✓ 特許出願の手続き
✓ 特許権の効力

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特許法とは?

特許法とは、発明を広く公開する代わりに、その技術を一定期間保護する法律です。新しい技術を発明した人がその内容を社会に公開することで、技術の発展に貢献する一方で、発明者には独占的に利用できる権利が与えられる仕組みになっています。

ここで言う「発明」とは何かというと、特許法では「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と定義されています。少し難しく聞こえますが、ポイントは「自然法則を利用していること」と「高度な創作であること」の2つです。

たとえば、数学的な公式や経済法則のような人為的な取り決めは自然法則を利用したものではないため、発明には該当しません。また、高度でない創作は「考案」として実用新案法の対象になりますので、特許法とは分けて考える必要があります。

特許法が保護する発明には、大きく分けて「物の発明」と「方法の発明」があります。

「物の発明」とは、製品や装置など、形のあるものに関する発明です。一方、「方法の発明」とは、ある結果を得るための手順や工程に関する発明を指します。方法の発明はさらに、「物を生産する方法の発明」と「物の生産を伴わない方法の発明」の2つに分かれます。

いずれの発明も特許法の保護対象となりますので、この分類はしっかり押さえておきましょう。

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特許の登録要件

特許として登録されるためには、3つの要件を満たす必要があります。それが「産業上の利用可能性」「新規性」「進歩性」の3つです。それぞれ見ていきましょう。

まず1つ目は「産業上の利用可能性」です。これは、その発明が実際に製造したり商売に使ったりできるかどうかという要件です。

たとえば、個人的にしか利用できないものや、学術的・実験的にしか使えないもの、そもそも実現不可能な発明などは、産業上の利用可能性がないとされます。特許は産業の発展を目的とした制度ですので、実際にビジネスで使えることが大前提となります。

2つ目は「新規性」です。新規性とは、出願した時点で、その発明が世の中にまだ知られていないことを意味します。

具体的には、出願前に公然と知られていたり、公然と実施されていたり、刊行物やインターネット上で公開されていたりした場合、新規性がないと判断されます。テレビやネットで報じられていた技術は、もはや「新しい」とは言えないわけです。

3つ目は「進歩性」です。進歩性とは、その技術分野の専門家が簡単に思いつかないレベルの発明かどうかということです。

たとえば、既存の技術から性能が少し上がった程度のものや、既存技術を単に寄せ集めただけのものは、進歩性がないと判断されます。専門家でも容易には思いつかない技術的なジャンプがあるかどうかがポイントです。

ここで1つ重要な例外規定があります。それが「新規性喪失の例外規定」です。

通常、発明が公開されてしまうと新規性を失いますが、発明者本人の行為によって公知・公用になった場合に限り、1年以内であれば救済を受けることができます

ただし、この例外規定を受けるためには手続きが必要です。

出願と同時に、例外規定の適用を受けたい旨を記載した書面を提出し、さらに出願から30日以内に証明書類を提出する必要があります。期限に注意しましょう。

特許出願の手続き

特許を出願するには、5つの書類が必要です。「願書」「明細書」「特許請求の範囲」「要約書」「図面」の5つですが、この中でも特に重要なのが「特許請求の範囲」です。特許請求の範囲には、特許を受けようとする発明を特定するために必要な事項をすべて記載する必要があります。

なお、図面の提出は任意です。必ずしも添付する必要はありませんが、発明の内容を説明するために有用な場合は添付します。この「図面は任意」という点は、過去問でもよく問われるポイントです。

次に、出願後の流れについて整理しましょう。

まず「国内優先権制度」です。特許出願をした後に、発明を改良した場合、先の出願から1年以内であれば、改良した内容も含めてまとめて新たに出願し直すことができます。

次に「出願公開」です。特許出願は、出願から1年6ヶ月が経過すると、自動的に公開されます。これは出願人の意思に関係なく強制的に行われるものです。出願公開がされると、第三者がその技術を知ることができるようになります。

出願公開後に第三者がその発明を無断で実施していた場合、出願人は「補償金請求権」を行使することができます。これは、特許権が登録される前であっても、出願公開後に発明を実施した者に対して補償金を請求できる制度です。

そして「審査請求」です。特許庁は出願された全ての発明を自動的に審査するわけではありません。出願から3年以内に審査請求を行う必要があり、この請求は出願人に限らず誰でも行うことができます。

3年以内に審査請求が行われなかった場合、その出願は取り下げたものとみなされます

また、登録後の制度として「特許無効審判」「特許異議の申し立て」があります。特許無効審判は、利害関係者がいつでも請求することができます。一方、特許異議の申し立ては、特許公報の発行から6ヶ月以内に、誰でも行うことができます。

特許権の効力

特許権を取得すると、その発明を独占的・排他的に実施することができます。つまり、他の人が許可なくその発明を使うことを排除できるわけです。

もし特許権が侵害された場合には、以下のような請求・手段を取ることができます。

差止請求:侵害行為の停止や予防を請求することができます。
損害賠償請求:侵害によって生じた損害の賠償を請求できます。
不当利得返還請求:侵害者が不当に得た利益の返還を請求できます。
信用回復措置請求:侵害によって損なわれた信用の回復措置を求めることができます。
また、悪質な侵害に対しては刑事訴訟を提起することも可能です。

特許権の存続期間についても確認しておきましょう。特許権は出願日から20年間存続します。「登録日から」ではなく「出願日から」である点がポイントです。

最後に、発明の種類ごとの「実施」の範囲を整理します。

物の発明の場合:その物の生産、使用、譲渡、輸入・輸出が「実施」にあたります。
物を生産する方法の発明の場合:その方法の使用に加えて、その方法で生産した物の使用、譲渡、輸入・輸出も「実施」に含まれます。
物の生産を伴わない方法の発明の場合:その方法の使用のみが「実施」にあたります。

過去問を解いてみよう(令和3年度 第10問)

特許法の規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 2以上の発明は、いかなる場合も1つの願書で特許出願をすることはできない。
イ 願書には、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を、すべて必ず添付しなければならない。
ウ 特許請求の範囲に記載する特許を受けようとする発明は、発明の詳細な説明に記載したものであることが必要である。
エ 特許請求の範囲には、発明を特定するために必要と認める事項の全てを記載する必要はない。

それでは選択肢を1つずつ確認していきましょう。

選択肢ア:「2以上の発明は、いかなる場合も1つの願書で出願できない」とありますが、これは誤りです。互いに関連する複数の発明であれば、1つの願書でまとめて出願することが可能です。

選択肢イ:「図面を必ず添付しなければならない」とありますが、これも誤りです。先ほど解説したとおり、図面の提出は任意ですので、必ず添付する必要はありません。

選択肢ウ:「特許請求の範囲に記載する発明は、発明の詳細な説明に記載したものであることが必要」とあります。特許を受けたい範囲は、明細書に記載した発明の内容の中から設定する必要がありますので、この記述は正しいです。

選択肢エ:「発明を特定するために必要な事項の全てを記載する必要はない」とありますが、これは誤りです。特許請求の範囲には、発明を特定するために必要な事項をすべて記載しなければなりません。

よって、選択肢ウがこの問題の正解となります。

過去問を解いてみよう(平成25年度 第6問)

特許権の侵害に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 自己の特許権を侵害するおそれがある者に対し、その侵害の予防を請求することができる。
イ 特許権を侵害した者が特許権者に対し、その侵害の行為によって受けた利益の額を超えて、損害を賠償すべき場合はない。
ウ 物を生産する方法の発明において、その発明により生産された物を輸入する行為は、当該発明に係る特許権の侵害とはならない。
エ 物を生産する方法の発明について、その物が特許出願前に日本国内において公然と知られた物であるときは、その物と同一の物は、その方法により生産されたものと推定される。

それでは選択肢を確認していきましょう。

選択肢ア:「侵害するおそれがある者に対して予防を請求できる」とあります。これは差止請求権の内容そのもので、特許権者は侵害のおそれがある者に対して予防請求をすることができます。この記述は正しいです。

選択肢イ:「侵害者が受けた利益を超えて賠償すべき場合はない」とありますが、これは誤りです。特許権者が自分だけで販売していた場合の逸失利益などを立証できれば、侵害者の利益を超える損害賠償が認められることがあります。

選択肢ウ:「物を生産する方法の発明で生産された物の輸入は侵害にならない」とありますが、これは誤りです。物を生産する方法の発明においては、その方法で生産された物の使用・譲渡・輸入・輸出も「実施」に該当しますので、無断で輸入する行為は特許権の侵害となります。

選択肢エ:「出願前に公然と知られた物であるとき」とありますが、正しくは「公然と知られていない物であるとき」に推定規定が適用されます。公然と知られている物であれば、別の方法で生産されている可能性もあるため、推定は働きません。この記述は誤りです。

よって、選択肢アがこの問題の正解となります。

まとめ

今回は特許法について解説しました。最後に要点を整理しておきましょう。

特許法とは、発明を広く公開する代わりに、その技術を一定期間保護する法律です。発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と定義されており、「物の発明」だけでなく「方法の発明」も保護の対象となります。

特許の登録要件は「産業上の利用可能性」「新規性」「進歩性」の3つです。また、発明者本人の行為で公知になった場合は、1年以内であれば新規性喪失の例外規定による救済を受けることができます。

出願時の提出書類のうち、図面は任意です。出願から1年6ヶ月で出願公開3年以内に審査請求を行う必要があります。そして、特許権は出願日から20年間存続します。

ぜひ過去問とこの記事を相互に確認しながら、理解を深めていただければと思います。
それでは今回の記事はここまでとしたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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たかぴー
自己紹介:中小企業診断士。 一次試験は全科目60点超の合計512点という高得点で突破、二次試験は2回連続で合計で240点以上を達成して合格。 合格後は、本業のデータ分析スキルを生かした過去問研究、法人営業経験を生かしたわかりやすい解説で受験者支援を実施中。 チャンネル登録者1.5万人超の「たかぴーの中小企業診断士試験 攻略チャンネル」では、二次試験と中小企業経営・政策も解説。 趣味:ジム・筋トレ、旅行、YouTube、ブログ 連絡先:takapi.channel@gmail.com
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