はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。今回は「正規化」をテーマに解説していきたいと思います。
正規化というと、なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、各ステップでやっていることさえ理解できてしまえば、そこまで難しいものではありません。
一方で、市販のテキストはやや説明がわかりにくいためか、苦手としている受験生の方が多い印象がありますので、この記事では具体的な事例を使った図解で、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
✓ 正規化とは何か(一言定義)
✓ 第1〜第3正規形それぞれの処理内容
✓ 主キー・複合キーの読み方
✓ 令和7年度第11問の解き方
正規化とは?
今回学習する正規化とは、関連の強いデータのみを1つの表にまとめ、データの冗長性をなくすことです。データの冗長性というのは、同じデータが複数の場所に重複して存在している状態のことですね。
とはいえ、文字だけだと何を言っているかよくわからないと思いますので、図解をしながら説明します。まず正規化されていない表として、以下のような形のデータがあったとします。

1つの伝票番号に対して、顧客名や購入された商品、商品コード、購入数量等が記載されていますね。この表を、伝票表・会員表・商品表・伝票明細表に分けるのが正規化という処理と言われています。

もちろんもとの非正規形でも管理できなくはないのですが、このようなデータが数百万行・数千万行になってくるとメンテナンスが難しくなってきます。
正規化をすることで各表の目的が明確になり、表同士の整合性が保たれるというメリットがあります。例えばある商品の単価が変わった場合は、商品表の単価だけを更新すれば良いといった具合ですね。
もちろん正規化をすることで、表の数が増えたり、表同士の項目を結合して処理するような技術を持っている人でないと扱えないなどのデメリットはありますが、基本的には正規化した方がデータ管理・データ分析の観点では扱いやすいデータとなるわけです。

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正規化の種類
そんな正規化には3つの種類があります。第1正規形から第3正規形の3つですね。

一番下の非正規形というのが、先ほど確認した正規化される前の表のことですね。そこから第1・第2・第3と正規度が上がっていき、正規度が高いほどデータが整理され、メンテナンスしやすくなっているということができます。
各ボックスの中に説明書きが書かれていますが、この内容はこの後詳しく説明していきますので、ここでは3つの種類があるということだけ認識していただければ十分かと思います。

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それでは第1正規化から内容を見ていきましょう。第1正規化とは、繰り返し項目を独立した行に分離して、1行に1つの値だけにすることを言います。
先ほど確認した非正規形の表で確認してみましょう。

ここでは、非正規形の青で囲った部分が1行と考えます。この1行の中に、商品コードや商品名・単価といった項目が複数出現していますね。このように1行の中に複数の値が入っている状態を繰り返し項目といいます。
第1正規形ではこの繰り返し項目をなくし、1行に1つの値が入るように表を整理していきます。
具体的にはこのような形ですね。何が変わったかと言うと、表の左側で結合されていた部分を解除し、それぞれの行に同じ伝票番号・会員番号・顧客名が表示されるようにしました。こうすることで1つの行に複数の項目が表示されるという繰り返し項目がなくなるというわけですね。
主キー・外部キーとは?
続いて第2正規化に行く前に、主キー・外部キーという考え方を確認してみましょう。
まずは主キーですね。主キーとは、その項目を1つ指定することで、行が1つに決まる項目のことを言います。

この主キーには一意性制約と呼ばれる重複する値は登録不可といったルールや、NOT NULL制約と言って空値は登録不可といったルールが存在しています。この辺はやや細かい内容なので、聞き流してもらえればと思います。
では実際に、どのような内容かを確認していきましょう。主キーの中には、単一キーと複合キーという考え方があります。

まずは単一キーですね。こちらは1つの項目で行が特定できることを言います。例えば上の表で、黄色でハイライトした社員番号を1つ指定すれば行が1つに決まりますね。例えばE002と言えば、上から2行目だということがわかります。
逆に田中さんは田中太郎さんと田中次郎さんの2行が存在し、名前の太郎で指定しようにも、田中太郎さんと鈴木太郎さんの2名が存在しています。部署も同じで営業部と指定しただけでは、行を1つに決めることができません。唯一、社員番号だけが1つの行を特定するキーとして使えるというわけですね。
一方で、複合キーとは、複数の項目の組み合わせで行を特定することを言います。先ほどの表から、仮に社員番号がないテーブルがあったとしましょう。そうすると行を1つに決めるためには、苗字と名前の2つの組み合わせで考える必要があります。
例えば田中太郎と言えば1行目に決まり、鈴木太郎と言えば3行目に決まるといったイメージですね。
以上のように、主キーとはその項目を指定すると行が1つに決まる項目のことで、単一キーの場合は社員番号のような1項目で、複合キーの場合は苗字と名前の組み合わせによって1つの行を特定することができるわけです。この主キーの考え方をしっかりと理解することが、正規化を理解する上でも重要です。
続いて外部キーです。こちらは他の表の主キーとしている項目だと、理解いただければと思います。

こちらも図で確認してみましょう。

今、受注表の中に受注番号・受注日・顧客コードがあったとしましょう。この時、受注番号は主キーで、顧客コードを外部キーと設定したとします。そしてまた別に存在している顧客表を参照しに行く時に、顧客表は顧客コードが主キーになっているとしましょう。
ここで、顧客コードを外部キーに設定しておくことで、例えばある受注番号の顧客の名称や住所を確認するときに、顧客コードをキーとして受注番号と顧客名・顧客住所を紐付けることができるわけですね。
第2正規化とは?
それでは第2正規化について確認しましょう。第2正規化とは複合キーの一部だけで特定できる項目を別の表に分離することです。
例えば、先ほど第1正規化した表として、以下のような表がありました。先ほどの表から理解を深めるために、伝票番号H152を付け加えています。

ここでこの表において、先ほど学んだ主キーは何になるでしょうか?答えは、伝票番号と商品コードの複合キーです。伝票番号だけではH151が3行あって絞り込めませんし、商品コードだけでもPD5が被っています。2つを組み合わせて初めて1行に決まるというわけですね。
そして第2正規化とは、複合キーの一部だけで特定できる項目を別の表に分離することなのでした。具体的に、複合キーの一部である伝票番号に紐付く項目を青で塗りつぶしてみました。
この時H151であれば会員番号001の田中さん、H152であれば会員番号002の伊藤さんであることがわかります。これを1つの表としてまとめることができますね。伝票表として伝票番号・会員番号・顧客名の組み合わせをまとめてみました。繰り返し表示されていたH151が1行で済んでいることが分かるかと思います。
また、緑で塗りつぶした項目に関しては商品コードと商品名・単価が記載されています。こちらについても商品コードPD1はトマト・単価200円、PD2はピーマン・単価150円、PD5はにんじんで単価180円とわかりますね。これらも1つの表としてまとめることができそうです。
最後に複合キーである伝票番号と商品コードの組み合わせでしか特定できないのが、数量であることがわかりますね。こちらは伝票明細表として複合キーの伝票番号と商品コードと数量を1つにまとめて記載をしました。
以上のように第2正規形では、複合キーの一方だけで特定できる項目をまとめ、最後に残った項目に関しては複合キーでしか特定できない項目なので、それもまた1つの表としてまとめるといった処理を行います。
第3正規化とは?
最後に第3正規化を確認しましょう。第3正規化とは、主キー以外の項目で特定できる項目を別の表にすることを言います。
先ほど第2正規化で整理した内容として、3つの表を作成しました。第3正規化では主キー以外の項目で特定できる項目を探します。

例えば、1番左側の伝票表に着目してみましょう。伝票表については、伝票番号が主キーであることがわかりますね。一方、紫色で塗りつぶした会員番号と顧客名を見てみます。
第3正規化は主キー以外の項目で特定できる項目とありますので、ここでは会員番号で顧客名を特定できないかと考えてみます。そうすると、会員番号と顧客名はどうやら一対一で対応してそうですので、伝票表は伝票番号と会員番号の組み合わせにまとめることができ、これとは別に、会員表として会員番号と顧客名をまとめることができそうですね。
一方で、黄色の表で示した伝票明細表については、伝票番号と商品コードの組み合わせが主キーになるのでしたね。主キー以外の項目が数量しかありませんので、これ以上分離することができません。
商品表に関しては商品名で単価を特定することができそうなので、これもまた別の表にすることもできそうですが、過去問を見る限りはあえてそのような処理を行うケースは見当たりませんでした。
これは商品名で単価が決まるわけではないため、という前提があるようなのですが、診断士試験対策としては、商品に関する項目ということで、既に関連性の強い項目としてまとまっているので、これ以上の分離は必要がないというふうに覚えていただければと思います。
以上、正規化に関しては各ステップで何をやっているかわかっていれば、そう難しいものでもありません。各スライドの内容を見ながら、実際にご自身でも正規化処理をやってみると理解が深まると思いますので、ぜひ実践してみてください。
過去問を解いてみよう(令和7年度 第11問)
それではここまでの内容を、過去問を解いて復習してみましょう。
以下に示す表は、ある学校における特定の期間中の開講講座の一覧である。この表に関する正規化の観点からの記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、この表の主キーは「開講コード」であり、また、それぞれの講師は開講コードの異なる同一名の講座を担当することがある。
a 第1正規形である。
b 第2正規形である。
c 第3正規形である。〔解答群〕
ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:正 c:誤
ウ a:正 b:誤 c:正
エ a:正 b:誤 c:誤
オ a:誤 b:誤 c:誤
正規化の進捗具合について正誤判定する問題ですね。
まずは選択肢aの第1正規形であるかどうかを確認しましょう。第1正規形かどうかを判定するには、セル結合があるかどうかを見ていくと良いです。問題の表ではセル結合が見当たりませんので、これは第1正規形であるとみなして良さそうですね。
続いて選択肢bです。第2正規形かどうかを問われています。第2正規形かどうかは複合キーがあるかどうかをまずは見ていきましょう。こちらの表に関しては、開講コードで行が1つに定まるので、単一キーであることがわかります。複合キーが存在する状態ではありませんので、第2正規化が不要、もしくは既に終わっていると判断して良いかと思います。
最後の第3正規形です。こちらは主キー以外で特定可能な項目があるかを見ていきます。先ほど、開講コードが主キーであることを確認しました。それ以外の項目に目を通してみますと、例えば青で塗りつぶした講座コードと講座名の組み合わせについては、講座コードがC01であれば経営情報システム入門、C02であれば経営情報システム実践であることが読み取れますね。
講座コードと講座名はまた別の表に分離ができそうなので、第3正規形は終わっていないとみなすことができます。ちなみに講師コードと講師名に関してもT01であれば中小太郎、T02であれば診断次郎といったように別の表に分離することができます。このことからも第3正規形が終わっていないと判断できますね。
というわけで、選択肢イがこの問題の正解となります。
選択肢a・b・cの横に書いた観点で確認すれば、そう難しい問題ではないことがわかります。他の年度に関しても、それぞれの段階で何を行うかがわかっていれば、簡単に解くことができる問題となっていますので、ぜひ他の年度の問題にもチャレンジして理解を深めていただければと思います。
まとめ
それでは最後にまとめです。今回は正規化について解説をしました。

正規化とは関連の強いデータのみを1つの表にまとめ、データの冗長性をなくす処理のことでしたね。具体的には第1正規形から第3正規形まであり、第3正規形に行くにつれて正規度が上がっていくのでした。重要なのは、各正規化の段階でどのようなことを実施しているかを理解することです。
第1正規形では繰り返し項目をなくすためにセル結合をなくし、第2正規形では複合キーの一部だけで特定できる項目を別の表に分離するのでした。そして最後の第3正規形では、第2正規形で分離した後の主キー以外の項目で特定できる項目を、また別の表に移すという処理を行います。
繰り返し項目や複合キーといった各要素を押さえて、グルーピングできるものに関しては別の表にまとめていくんだということが理解できていれば、問題にも対応しやすくなるかと思います。あとは問題を解きながら理解を深めていけばこの論点はバッチリになるかと思いますので、ぜひ問題を解きながら理解を深めていただければと思います。
正規化は市販のテキストが非常にわかりにくいためか、苦手としている方が多い印象です。一方で、一度理解してしまえばそれほど難しくない問題が出題されますので、この記事をお読みの皆さんには、ぜひ得点源としていただければと思います。
正規化と合わせて押さえておきたいのが、データベースの操作言語であるSQLです。GROUP BYやUNION、CASE式まで基礎から応用までを以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

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