はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。
今回はDNSとDHCPをテーマに解説していこうと思います。
どちらもネットワーク関連の論点では、トップクラスに出題頻度が高い論点です。
経営情報システムは、内容がわかることで暗記もしやすくなります。
ぜひ動画を最後までご覧になり、理解を深めてみてください。
IPアドレスとは?
IPアドレスとは、インターネット上で端末を識別するための番号です。
インターネットでは、ネットワークに接続されたすべての端末が相互に公開した情報をやり取りします。この端末にはPCやスマートフォン、データサーバーなどが含まれます。
このブログページも、どこかのサーバーに保存されているデータを、インターネットの仕組みを通じて皆さんが受信して閲覧しているというわけですね。
そして、インターネットで繋がっている端末に保存されている情報を見つけるときに必要なのが、IPアドレスです。
世界中で被りのないユニークな番号を振ることで、必要な端末の必要な情報にアクセスできるというわけですね。
いわばIPアドレスは、インターネット上の住所とも言えるような存在です。
そんなIPアドレスは、このように4つの領域に区切られています。
前半部分をネットワークアドレス部、後半部分をホストアドレス部と呼びます。
ネットワークアドレス部はどのネットワークに属しているかを示し、ホストアドレス部はどの端末なのかを表しています。
例えるなら、ネットワークアドレス部は学校のクラスを表していて、ホストアドレス部はクラス内の個人を特定するための出席番号みたいなイメージですね。
同じ会社の同じ事業所であれば、基本的にはネットワークアドレス部は共通で、各PC端末ごとに異なるホストアドレスが振られるということなるかと思います。
サブネットマスクとは?
ここで参考までにサブネットマスクという用語も確認しておきましょう。
サブネットマスクとはIPアドレスの中で、ネットワークアドレス部とホストアドレス部の境界を示すための数値です。
例えば、以下のような形でIPアドレスとサブネットマスクが表示されていたとしましょう。

サブネットマスクが255であればネットワークアドレス部、0であればホストアドレス部を示していると読み取ります。
上記の場合、前半の3つがネットワークアドレス部を示し、最後の1ブロックがホストアドレス部を示すということになります。
つまり、IPアドレスのうち198から100までがネットワークアドレス部で、最後の2がホストアドレス部だということが読み取れるわけです。
このように、サブネットマスクを使うと、IPアドレスの中でどこまでがネットワークアドレス部で、どこからがホストアドレス部なのかがわかるわけですね。
ちなみに、サブネットマスクでは255と0以外の数値も使われることがありますが、さすがに細かい内容なので、ここでは省略したいと思います。
試験対策上は、サブネットマスクは255と0の組み合わせで示され、一部例外もあるくらいの認識で十分かと思います。
ドメイン名とは?
ドメイン名とは、インターネット上で特定のウェブサイトを識別するための名称です。
例えば、以下のようなURLが表示されていたとしましょう。

この中で「youtube.com」という部分がドメイン名を表しています。
このドメイン名が使用されているウェブサイトは、全てYouTube内のページだということがわかるわけですね。
ドメイン名の後に続く文字列はアクセスしたいファイル名を表しています。
この場合は、過去にEVMを解説した動画の再生ページということになるわけですね。
ドメイン名もIPアドレスと同じく、世界中で重複のないユニークな文字列となっています。
また、youtube.comのようなわかりやすい名称にすることで、アクセスしたウェブサイトが偽サイトではないかどうかも、目で見て確認できるというメリットもありますね。
以上、IPアドレスとドメイン名の内容を押さえた上で、本題のDNSとDHCPについて確認したいと思います。
DNSとは?
DNSはIPアドレスとドメイン名を対応させるためのシステムをいいます。
例えば、YouTubeの動画を見るために「youtube.com」と入力したとしましょう。
僕らとしては「youtube.com」というわかりやすい文字列ではありますが、この文字列だけではインターネット上のどの端末にアクセスして良いのか、操作しているパソコンには伝わりません。
そこで登場するのがDNSというわけです。
この「youtube.com」という文字列は、「203.0.113.1」というIPアドレスに対応しています。
この変換を自動で行ってくれるのがDNSです。
DNSのおかけで、「youtube.com」と入力されたら、そのウェブページのデータが格納されている端末に接続できるというわけですね。
余談ですが、そのウェブサイトのIPアドレスを直接入力することで、ドメイン名を使わずにそのウェブサイトにアクセスすることも可能です。
ただし、アクセス制限がある場合などでは、この方法が使えないこともあります。
DHCPとは?
DHCPとは、ネットワークに接続する際に必要な情報を自動的に割り当てる仕組みをいいます。
今、あなたがYoutube動画を見たくて、インターネットに接続しようとしたときにDHCPが活躍してくれます。
インターネットの接続に必要なIPアドレス、サブネットマスク、DNSサーバーのIPアドレス、それからデフォルトゲートウェイをDHCPが自動で割り振ってくれます。
ちなみに、デフォルトゲートウェイとは、インターネットの出入り口のことです。
一般家庭のほとんどでは、ルーターがこの役割を果たしています。
ですので、デフォルトゲートウェイはWi-FiルーターのIPアドレスだと思ってもらえれば、試験対策上は十分かと思います。
DHCPがなければ、ここで示したそれぞれのアドレスを手動で入力しなければ、インターネットには接続できません。
我々が専門知識なしで、手軽にインターネットに接続できているのは、このDHCPが動作しているおかげと言うわけですね。
DHCPで設定される各項目が示す内容は、先ほど解説した通りですので、念のため確認しておいてください。
過去問を解いてみよう (平成25年度 第11問)
それではここまでの内容を、過去問を解いて復習してみたいと思います。
インターネットが普及した現在、業務の様々な場面で情報資源の所在を確認することやネットワーク機器を識別することが求められる。以下のA〜Dの情報資源やネットワーク機器を指示した事例と、その名称の組み合わせとして、最も適切な
ものを下記の解答群から選べ。
指示事例
A http://www.meti.go.jp/
B meti.go.jp
C 11:22:33:dd:ee:ff
D 192.168.0.1
[解答群]
ア A:URL B:ドメイン名 C:MAC アドレス D:IPアドレス
イ A:URL B:ホスト名 C:IPアドレス D:MAC アドレス
ウ A:ドメイン名 B:ホスト名 C:ポート番号 D:IP アドレス
エ A:ドメイン名 B:ホスト名 C:SSID D:ポート番号
ネットワークで使われている各事例と、その名称の組み合わせを選ぶ問題ですね。
1つずつ内容を確認していくと、まずAは明らかに「URL」を表していますね。
次にBは、「ドメイン名」を示しています。
Cを飛ばして最後のDは、「IPアドレス」ですね。
以上の3つがわかるだけでも、選択肢アが正解とわかります。
ちなみに、Cには「MACアドレス」という用語がありますが、これも押さえておきたいところです。
MACアドレスとは、インターネットに接続するために必要な「LANカード」というPC等に内蔵されているカードに記載されている識別コードのことを指します。
この用語も試験に頻出しますので、必ず覚えておいてください。
過去問を解いてみよう (平成26年度 第12問)
今回はもう1問解いてみましょう。
コンピュータを会社内のLANに接続し、インターネットを利用する場合、LAN接続に必要な項目の設定作業を行わなければならない。社内LANにおいてDHCPサーバが稼働している場合は、LAN接続に必要な設定項目をこのサーバから受け取り自動的に完了させることもできる。
DHCPサーバが稼働しているか否かにかかわらず、LANに接続するのに設定が必要な項目を列挙したものとして最も適切なものはどれか。
ア MACアドレス DNSサーバのIPアドレス プロキシサーバのIPアドレス サブネットマスクイ MACアドレス ポート番号 ルータのIPアドレス コンピュータ名
ウ 当該コンピュータのIPアドレス DNSサーバのIPアドレス デフォルトゲートウェイのIPアドレス サブネットマスク
エ 当該コンピュータのIPアドレス ポート番号 コンピュータ名 SSID
LANネットワーク接続に必要な項目を選ぶものです。
問題文に「DHCPサーバーが稼働している場合、自動的に設定される項目」とありますので、単にDHCPで設定される項目を選ぶと良さそうです。
選択肢を確認してみると、選択肢ウがこの問題の正解となります。
このように具体的にDHCPが設定する内容も、問われたことがありますので、よく復習しておきましょう。
それ以外の名称については、また次の機会に解説したいと思いますが、興味のある方はご自身で調べておいてください。
過去問演習の際は、正解選択肢が選べるようになることは大切ですが、知らない単語用語を見たとき、都度内容を確認することも重要です。
面倒がらずに丁寧に実践いただければと思います。
まとめ
それでは最後にまとめです。
今回はDHCPとDNSについて学習しました。
DHCPは、例えばあなたがYouTubeを見たいときに、まずインターネットに接続するために必要な情報を自動的に割り当ててくれます。
具体的には、IPアドレス、サブネットマスク、DNSサーバーのIPアドレス、それからデフォルトゲートウェイなどでしたね。

一方でDNSは、あなたがドメイン名を含むURLを入力すると、それをIPアドレスに変換して、見たい情報が格納されているサーバーにアクセスできるようにしてくれる仕組みです。
以上のように、DHCPとDNSはどちらもネットワーク用語で似た名称ではありますが、その役割は全く異なるものです。
しっかりと内容を理解しながら、問題演習を繰り返して、記憶の定着を図るようにしてください。
はい、というわけで、今回はDNSとDHCPをテーマに解説してみました。
経営情報システムは、暗記科目と言われていますが、覚えるべき内容は非常に多く、丸暗記で済ませようとすると、かなりつらい思いをされるかと思います。
できるだけ内容を理解しながら学習を進めると、暗記負荷を和らげることができるかと思いますので、まだ時間のある今のうちから、少しずつ理解を深めていただければと思います。