はいどうも、中小企業診断士のたかぴーです。
今回は「データ基盤」をテーマに解説していきたいと思います。
今回解説するデータ基盤に関する各用語は、近年、出題頻度が上がってきています。
名称が似ている上に役割の違いも分かりにくい内容ですので、この記事を通してしっかりと理解を深めて、試験本番でも対応できる力を身に付けていただければと思います。
データ基盤の対応関係
今回学習するデータ基盤とは、企業内のデータをどのように整理・管理するかの仕組みのことです。
例えばあるスーパーマーケットでは、店舗現場・経営層・商品部それぞれのセクションが異なる目的でデータを使います。この各セクションに応じて、必要なデータベースが以下のように分かれています。
| セクション | データ基盤 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 店舗現場 | ODS | 日々の業務処理 |
| 経営層 | DWH | 経営判断・全社分析 |
| 個別部門(商品部など) | DM | 部門別の分析 |
試験対策上は、この対応関係と各データベースの具体的なイメージを持つことが大切です。次のセクションからひとつずつ確認していきましょう。

経営情報システムの頻出用語を10年分集計
IT・ネットワーク・DB用語を出題回数で可視化。AI連携もOK。
分析できるようになるまでの準備
各データ基盤の解説に入る前に、データ分析を行うまでに必要な準備作業を確認しておきましょう。
POSレジ・会員アプリ・仕入管理など複数のシステムには、それぞれ異なる形式でデータが蓄積されています。これらを統合・整形して初めて、分析できる状態になります。
この準備プロセスで登場する用語が2つあります。
データマッピングとは、異なるシステム間で「この項目とこの項目は同じ内容だ」と対応付けることです。たとえばPOSの「商品コード」と仕入管理の「SKU」が同じ商品を指すと紐づける作業ですね。
データマイグレーションとは、異なるストレージ上のデータを別のシステムやデータベースに移管することです。
また、複数システムのデータをとりあえず一か所に集めた状態をデータレイク(データの湖)といいます。ただし、どこに何が格納されているか管理できていない状態になると「データスワンプ(データの沼)」と呼ばれ、活用できないデータの山になってしまいます。
集めたデータは分析できる状態に整える必要があります。この整備作業がデータクレンジングです。
データクレンジングとは、データの誤り・重複・表記ゆれなどを整えて分析できる状態にすることです。会員IDの桁数ずれ、商品名の文字化け、日付フォーマットの不統一などを修正する作業ですね。
オペレーショナルデータストア(ODS)とは?
日々の業務データを統合して、一時的に保存するデータベース。リアルタイム性を重視した現場向けのデータ基盤。
ODSには、以下のようなデータが含まれます。
- レシート単位の購入商品情報
- 顧客の個人情報・レシート番号
- 最新の商品在庫情報
- 日々の店舗売り上げ・仕入れ情報
お客さんから「この商品の在庫はありますか?」と聞かれたとき、ODSを参照することですぐに回答できます。日々の業務を即座に支援するためのリアルタイム性が、ODSの最大の特徴です。
データウェアハウス(DWH)とは?
企業全体のデータを長期間蓄積し、分析向けに整備したデータベース。経営判断・全社分析を目的とした中枢データ基盤。
DWHには、以下のようなデータが含まれます。
- 店舗別・地域別の売り上げ情報
- 商品別の売り上げ情報
- 顧客グループごとの購買傾向
- 年別・月別の売り上げ・利益推移
各店舗のODSからデータを吸い上げて、経営層が見たい形式に加工し、意思決定に必要な情報をすぐに閲覧・分析できるように整えます。企業のデータ基盤の中枢を担うDWHは、今回解説する用語の中で最も出題頻度が高いので、優先的に押さえておきましょう。
データマート(DM)とは?
特定の部署・分析用途に最適化したデータベース。DWHから必要なデータだけを切り出した部門別データ基盤。
商品部のDMには、以下のようなデータが含まれます。
- 商品別の売り上げ情報
- 顧客グループごとの購買傾向
- 店舗別の在庫情報
- 新商品発売後の販売推移
DWHと中身が一部重なりますが、DMはDWHからその部門に必要なデータだけを切り出したものです。商品部ではクレーム情報はあまり使わないので、そういったものを排除して必要なものだけを集めているようなイメージですね。
データ基盤用語の覚え方
3つのデータ基盤の違いを整理したところで、名称と役割を結びつける覚え方を紹介します。
語呂合わせよりも、このように名称の意味と中身を紐づけて覚えた方が定着しやすいのでオススメです。ご自身の覚え方を考えてみるのも面白いですよ。
過去問を解いてみよう(令和3年度 第8問 一部抜粋)
それではここまでの内容を、過去問で復習してみましょう。
意思決定や計画立案のために、組織内で運用される情報システムやデータベースなどからデータを集めて格納しておく場所を A と呼ぶ。この A から、必要なものだけを利用しやすい形式で格納したデータベースを B と呼ぶ。
ア A:データウェアハウス B:データマート
イ A:データウェアハウス B:データレイク
ウ A:データマート B:データウェアハウス
エ A:データマート B:リレーショナルデータベース
オ A:データレイク B:データマート
正解は「ア」です。
✅ 空欄A
「組織内のデータを集めて格納しておく場所」→ 企業全体のデータを蓄積・分析向けに整備するデータベースなので、データウェアハウスですね。
✅ 空欄B
「DWHから必要なものだけを利用しやすい形式で格納」→ 特定部署・用途に最適化したデータベースなので、データマートです。
用語の内容をきちんと理解していれば全く難しい問題ではありませんが、選択肢にはデータレイクやリレーショナルデータベースといった紛らわしい用語も含まれています。近年の経営情報システムは正確な理解が求められますので、用語ごとの役割の違いをしっかり押さえておきましょう。
まとめ
今回は、企業内のデータ管理の仕組みである「データ基盤」について解説しました。
3つのデータ基盤の違いを最後にもう一度整理しておきます。
| 名称 | 定義 | 覚え方 |
|---|---|---|
| ODS | 業務データを統合・一時保存。リアルタイム性重視 | オペレーション/ストア=現場 |
| DWH | 全社データを長期蓄積・分析向けに整備 | ハウス/倉庫=本社・経営判断 |
| DM | DWHから部門用にデータを切り出し | マート=データが買える店(部門別) |
「データベースだから一緒」ではなく、各データベースの役割をきちんと整理して覚えておくことが重要です。なお、今回はスーパーマーケットを例に解説しましたが、あらゆる業種で使われる概念ですので、その点はご留意ください。
✉ 無料メールマガジン
試験まで、たかぴーが毎月伴走します。
中小企業診断士たかぴーが毎月届けるメールマガジン。その時期にピッタリな勉強計画・直前対策・2次試験対策に関する情報を無料でお届け。
登録無料 | 月1回配信 | 配信停止はいつでも可能

経営情報システム 過去問データブック&単語帳(2026年度版)
- 頻出テクノロジー用語を出題回数で序列化
- 生成AI(NotebookLM等)連携で自作クイズ化


