「ちゃんとお客さんとフィックスしといてね」
上司からこのように声をかけられたことはありませんか?
「ファックス」の聞き間違いかと思いましたが、文脈として意味が通りません。
間違いなく、「フィックス」と上司は言ったのです。
お客さんと関係を修復しておけってことなのかなぁ。
確かに、英語のフィックスには修理・修復という意味がありますが、ビジネスではそのような意味では使いません。
では、フィックスにはどのような意味があるのでしょうか?
今回はそんな「フィックス」の意味や使い方、注意点などを解説していこうと思います!
1.英語のフィックス(fix)の意味
今回解説するフィックスは、英語の「fix」からきた言葉です。
ビジネスにおけるフィックスの意味を確認する前に、英語のfixの意味を確認しておきましょう。
英太郎 on the WEBにて、fixを検索してみると、次の意味が出てきました。
【自動】
1.固まる、固定する、固着する
2.〔人が〕定住する、腰を据える
3.〔注意などを〕向ける、集中させる
4.〈米方言〉〔~する〕準備をする、用意ができる◆【用法】進行形で用いられ、to不定詞を伴う
5.〈米俗〉麻薬を打つ
【他動】
1.〔正しい位置にしっかりと〕~を固定する[取り付ける]、〔記憶に〕~をとどめる
2.〔正確な時間・価格・場所などを〕決める、決定する、確定する
3.元の[本来の・正常な]状態に戻す、回復させる、元通りにする、癒す、治療する、直す、修正する、修理する、修繕する、調整する、整える、調節する
4.〔問題などを〕解決する
5.〔身だしなみを〕整える、〔髪や化粧を〕直す
6.〔必要なものを〕与える、用意する、~に備える
7.〔食事や飲み物を〕用意する、準備する、作る
8.恩恵[免罪]を得る、買収する、見逃して[大目に見て]もらう文例
9.~をじっと見詰める、目を凝らす、〔思いや注意を~に〕じっと向ける、〔~が注意を〕引き付ける
10.〔表情を〕かたくさせる
11.《化学》~を凝固させる
12.〔フィルムなどの〕定着処理を行う、色留めを行う
13.〔罪や責任などを〕負わせる
14.〔犬や猫に〕去勢[避妊]手術を行う◆インフォーマルな表現。
15.~に仕返しをする
16.〔人を〕殺す、片付ける、仕留める
17.〔選挙や試合で〕~を買収する、~に不正工作を行う、八百長をする
18.〈米俗〉~に麻薬を打つ
19.〔飲食物などを〕(人)のために用意する文例
【名】
1.〈話〉苦境、困った立場
2.調整、調節、修理
3.〈話〉〔応急の〕処置、解決策
4.〈話〉〔賄賂による〕買収、不正
5.〈話〉〔やめられない〕楽しみ、スリル◆【用法】おどけて使われることが多い。
6.〈俗〉〔麻薬の〕注射
7.〈話〉〔はっきりとした〕理解、認識、決意
8.〔船や航空機の〕航行位置(決定)
9.特定の結果になるように手を回してある競争[競技・選挙]、八百長の事例※英太郎 on the WEBより引用
自動詞、他動詞、名詞としての意味が、なんと合計で33種類もありました!
代表的な意味は、固定する、修理するなどの意味ですね。
ビジネスにおけるフィックスは、この英語の意味から派生しています。
2.ビジネスにおけるフィックスの意味
それでは、ビジネスにおけるフィックスにはどのような意味があるのでしょうか?
ビジネスシーンにおけるフィックスは、仕事の内容や行動を最終決定する、という意味があります。
ビジネスでは頻繁に使われる言葉のひとつなので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
それは、フィックスることが仕事をする上で、それほど大切であるためです。
ここからはもう少し詳しくフィックスという言葉について考えていきましょう。
3.フィックスの使い方
フィックスは「フィックスする」「フィックスした」など、動詞のような使われ方をします。
主に、未確定な事項の最終確認をしたいとき、お客さんなどとの決め事を確定したいときに使われます。
例文としては以下の通りです。
「会議でメンバー全員と、ターゲットユーザーについてフィックスした。」
(ターゲットユーザーについて最終確認した。)
「お客さんと今後の工事スケジュールについてフィックスしに行く。」
(工事スケジュールについて最終調整しに行く。)
このように、お互いに最終的な同意を得る目的で「フィックスする」ことが多いですね。
4.フィックスすることの大切さ
ビジネスにおいて、フィックスすることは非常に大切とされています。
それはフィックスすることで、曖昧な状態を避け、責任範囲を明確にする効果があるためです。
たとえば仕事をしていると、社内・社外の人たちとの相談や打合せが毎日のように繰り返されます。
特に僕のような営業職は、だれとどんな話をしたのか、思い出すだけでも苦労することがあります笑
このような毎日を過ごしていると、ついつい最終決定だけが宙ぶらりんの事項が積もっていってしまいます。
そんなときに重要なのが、ひとつひとつの仕事、スケジュールに対してフィックスすることなのです。
お互いにきちんとフィックスしておくことで、だれが、なにを、いつまでに行うのか明確になり、取り残される仕事を減らすことができるのです。
5.フィックスするときの注意点
フィックスするときは、お互いの意識合わせに注意する必要があります。
こちらが最終決定だと思っていても、相手はそういう認識がなかった、という話はよくあることです。
このような事態を防ぐために、話がある程度落ち着いたタイミングで、
「では、○○は○○ということで、最終決定でよろしいですね?」
と、改めて確認するようにするとよいでしょう。
これにより、グッと意識のすれ違いがなくなります。
また、決定事項そのものにも、言い間違いやニュアンスの伝わり方で、お互いに認識がずれてしまうこともあるでしょう。
せっかくお互いで同意を得たのに、勘違いでミスが発生してしまってはもったいありません。
これを防ぐには、
- 事前にフィックス事項を文書でまとめる
- 打合せ後にフィックス事項をメールで送る
などの方法で、とにかく文章として残しておくといいでしょう。
こうすることで、ちょっとした言い間違いも防げますし、何より時間がたっても後から確認できるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
フィックスするというのは、最終決定事項について確認する、という意味があります。
フィックスすることで、ひとつひとつの仕事を取り残すことなく、きちんと終わらせることができるようになります。
打ち合わせを行なうとき、会議をするときは、最後にしっかりとフィックスするようにするとよいでしょう。
フィックスをするときは、最終決定であるので、だからこそお互いの認識にズレがないようにしましょう。
そのために、フィックスした内容を、文章化しておくことがおススメです。
こうすることで、つまらないミスを防ぐことができるでしょう。
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ではっ!